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» 2016年12月20日 11時00分 UPDATE

中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(3):フェライト(3) ―― 電子部品としてのフェライト (1/4)

電子部品について深く知ることで、より正しく電子部品を使用し、「分かって使う」を目指す本連載。フェライト編第3回は、フェライトに代表される脆性(ぜいせい)材料の使い方と電子部品としてのフェライトの製造法について詳しくみていきます。

[加藤博二(Sifoen),EDN Japan]

はじめに

 前回説明しましたフェライトの各種特性の中で、

  1. フェライトは多くのセラミックス材と同じく脆性(ぜいせい)材料であること。
  2. 従って、引っ張り応力をかけてはいけないこと。

の2点を覚えておいてください。今回はフェライトに代表される脆性材料の使い方と電子部品としてのフェライトの製造法について考えていきます。

 部品納入仕様書に添付されるQC工程表を手元に置いて比較してみてください。

電子部品としてのフェライト

 フェライトの磁性のメカニズムは前回までに説明しましたが、ここでは電子部品としてのフェライトついて説明します。

製造方法

 代表的な工法を表1に示します。

表1:代表的なフェライトの製造方法
乾式法 金属の酸化物、または温度によって酸化物をつくるような金属の化合物を混合し、これを所定の温度になるように加熱します。
湿式法 原材料となる金属の水溶性化合物を水に溶かし、これをアルカリで処理することにより金属イオンを水酸化物として析出させた後、脱水・乾燥・高温処理します
(注:乾式に対して水溶液タンクやアルカリ処理工程などが必要になります)
噴射法 金属の化合物を混ぜ、可燃性のガスとともに細い穴からふき出してガスを燃焼させて、金属化合物を分解すると同時にフェライト化の化学反応を起こさせます。

 この他にも特殊な製造工法として

  • 原料となる金属酸化物を混合した後、高温で溶融させる
  • 湿式法のように析出させた水酸化物を加熱・加圧して、比較的低温で微粉末フェライトを作る

などの方法がありますが、製造コストや品質の安定性などの観点から乾式法が主力となっています。

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