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» 2017年03月09日 11時00分 UPDATE

Wired, Weird:技能検定3級シーケンス制御作業にチャレンジ【前編】 (1/3)

筆者は、知り合いからの依頼で「国家技能検定3級(シーケンス制御作業)」の受験対策指導を行った。実技試験対策として実際に使われる試験盤などの治具を手に入れようとしたが、思いの外、高価だったので自作することにした。今回は、自作した簡易版試験治具を中心に紹介していこう。

[山平豊(NSS九州),EDN Japan]

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舞い込んできた受験対策指導の依頼

 前回、オークションで手に入れたジャンク品のシーケンサーを修理する様子を報告した。そして、そのシーケンサーの改造を終えるやいなや、たまたま会社を経営する知り合いから「シーケンサーを貸してほしい」との依頼を受けた。聞けば、「社員に国家技能検定3級(シーケンス制御作業)を受験させるので、受験勉強用のシーケンサーを貸してほしい」という。そして「できれば、受験指導もやってほしい」とお願いされた。これも何かの縁だろう。修理し終えたシーケンサーを貸し出し、指南役も引き受けた。

 というわけで、『技能検定3級シーケンス制御作業にチャレンジ』という表題だが、筆者が挑むのではなく、指南役として技能検定に挑んだので、その挑戦の様子を紹介していく。

“完璧に”動かさなければ合格点はもらえないらしい……

 国家技能検定3級[シーケンス制御作業]は2004年に新設された高校生も受験できる試験だ。シーケンス制御3級は初級者向け検定だが、シーケンサーを扱う上で必要なハードウェアと機器の接続を理解でき、プログラムの作成とデバッグを行う能力を養える内容になっている。知識を学科試験で問われるだけでなく、課題をシーケンサーで組み上げる実技試験が課される。この実技試験のレベルは簡単なシステムをシーケンサーで実現できる技能レベル。この技能検定に合格、すなわち「3級シーケンス作業技能士」の資格を取得すれば、企業へ就職する際に大きな武器になることは言うまでもない。

 学科試験の知識やシーケンサーの使い方とプログラムの作り方を教えさえすればよいと指南役を引き受けたのだが、念のために検定試験の詳細に調べてみた。すると、検定試験ではシーケンサーの知識やプログラムの作り方だけではなく、簡単なシーケンスシステムの組み立て課題ながら“完璧に”動かさなければ合格点はもらえないらしい……。実技試験対策は念入りにしておいた方が良さそうだ。試験で実際に使用される試験盤で訓練させようと思い、同じ試験盤を探したが高価だったので、自分でプログラムの動作確認用基板やケーブルを用意することにした。

実技試験の詳しい内容を調べる

 実技試験の内容を詳しくみていこう。試験場に準備された試験盤と持ち込んだシーケンサーを作業課題(問題)の内容に応じて接続する。次に、作業課題で指示されるプログラムを作ってシーケンサーへ入力する。最後に、試験盤を動作させて、作業課題通りに動作することを試験官が確認し、完璧に動作すれば合格である。

 ただ、実技試験で与えられる時間は非常に短く90分しかない。この短い時間で課題を読んで理解し、配線作業を行い、プログラムを考え、シーケンサーに入力するという作業を完璧にこなすのは至難の業だ。後に間違いだったと判明するのだが、当初、依頼主から『作業課題は事前に開示され、試験前にプログラムを組んで動作を確認しておくことができる』という説明を受けた。「それなら大丈夫かな?」とのんきに構えていたが、これは全くの誤報で後々「試験内容は当日まで開示されない」と分かる……。

 シーケンサーのI/O割付は試験場で指示されるとのことで、事前にシーケンサーと試験盤のハードウェアを把握する必要があった。

 プログラムを試験前に評価できるのであれば、プログラムを作る手順や考え方をしっかり理解しておくことができ、初心者でも事前に十分なトレーニングを積むことでなんとか合格できるだろうと思った(繰り返すが、実際には試験前に問題は開示されずプログラムは評価できない)。

 試験場に持ち込める機器は、シーケンサー、プログラムを作成するPCとケーブル、試験盤とシーケンサーの接続配線、工具や筆記用具類だ。もちろんPCにはプログラムを作成するための開発ツールを入れておく必要がある。開発ツールはシーケンサーメーカーが提供しているので、それを利用すればよい。

 試験場に持ち込むシーケンサーやPCには、試験問題の回答のプログラムを入れておくことはもちろんできない。試験場では作業課題が記された問題用紙とメモ用紙が配布され、試験開始直後にI/O割付表が開示される。受験者は試験問題を正確に読み、I/O割付に従ってシーケンサーと試験盤を接続し、プログラムを考えて、PCでプログラムを記述して、デバッグして、シーケンサーへ書き込んで、試験盤で総合デバッグを行って、動作を確認する――。

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