メディア

漏れインダクタンスを使用したフライバックコンバーター(3) 小信号モデル化電源設計(3/6 ページ)

» 2017年03月16日 11時00分 公開

回路図の簡略化

 この回路図から線形化したコンバーターの解析を開始することもできます。さらに簡略化と整理を進めることも可能です。例えば、制御側から出力側への伝達関数で入力電圧Vinは定数です。すなわち、v^inつまりVin(s)は0に等しくなります。このように、入力電圧に接続されるノード「a」は、都合よくグランドに接続できます。ノード「a」をグランドに接続すると、回路を再描画して、より簡潔なバージョン(図5参照)を明らかにできます。この回路の周波数応答を図3の周波数応答と比較してテストし、新しく整理したモデルに存在する誤りを検出します。

 電流源B7は電圧源B1に対して直列です。さらに簡略化を進めるために、B7の負端子をグランド基準に変換する一方で、B1は出力をノード20に接続した個別信号源に変換します。新しい回路を図6に示します。ノード20をB10信号源(自らの定義によって更新される)で使用し、両方の電流源B7/B2を並列化して単一電流源を形成できます。その結果は図7に示す通りであり、これが解析対象となる最終回路です。信号源Ivを表す式が、d1信号源に既に含まれていることに注意してください。この回路の周波数応答を、大信号参照モデルの周波数応答と比較する形で作成したプロットを図8に示します。位相応答と振幅応答が同一なので、この最終的な表現について作業を進められます。

図4:更新後の回路に線形化した信号源のみが含まれる
図5:入力電圧が一定であることを考慮すると、ノード「a」をグランドに接続し、小信号回路をさらに簡略化できる
図6:電流源B7はグランドに接続され、B1はノード20で自身の電圧を供給
図7:複数の電流源を並列化してB7を形成し、ノード20をB10に統合することにより、最終的な小信号回路図が得られる。Ivは既にd1に包含されている
図8:大信号モデルの周波数応答と、図7に示す簡略化した回路の周波数応答は同一

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.