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漏れインダクタンスを使用したフライバックコンバーター(3) 小信号モデル化電源設計(4/6 ページ)

» 2017年03月16日 11時00分 公開

式の生成

 最初にインダクター電流を検討します。インダクター電流はノード「c」の電圧をインダクターのインピーダンスで除算した値です。ノード「c」の電圧は、電圧源B10に直列となるノード「p」の電圧によって定義されます。ノード「p」の電圧は単純に、トランスの巻線比を通じて1次側に反射された出力電圧を差し引いた値です(ダイオードの順方向降下を無視)。次式が得られます。

 これまでにLpを流れる電流が定義されている(図7のd1信号源にあるI(Vc))ので、信号源d1を書き換えられます。

 d1(s)についてこの式を解くと、次のようになります。

 出力電流は1次側電流をトランスの巻線比Nでスケール化した値です。これは電流源B7によって定義される電流から、インダクターを流れる電流を減算した値で、式15で定義されます。

 この式で、Icは本連載の第2回で既に定義されているDC値です。

 図9に示すように、この電流はrC、Cout、負荷抵抗RLで形成されるインピーダンスを循環します。

図9:最終的には、出力コンデンサー、そのESRおよび、負荷抵抗RLで形成される複雑なインピーダンスをドライブするトランスが含まれる

 この出力電流は、次のように定義することもできます。

 インピーダンスZ1は、rC+CoutをRLと並列にするか、回路の高速分析手法(Fast Analytical Circuits Techniques:FACT)を適用する方法で、迅速に導くことができます。結果を整理すると、次式が得られます。

 ここで、式18式20式21の各式を組み合わせると、次式が得られます。

 ここでの関心事は、Voutを解き、伝達関数を整理して2次多項式にすることです。Mathcadを活用すると、次式が得られます。

 ここまで、以下の新しい係数を決定しました。

 文献に掲載されている、従来のフライバックコンバーターに関する伝達関数(漏れインダクタンスを含まない)は式23の形式に従い、以下の定義を使用しています。

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