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データのバックアップと保持のための電源ホールドアップクイックスタートガイド(2/2 ページ)

» 2017年06月16日 14時00分 公開
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昇圧ホールドアップ解決策

 (スーパーコンデンサーより)はるかに低価格ではあるが、両端間の電圧は大幅に高い電解コンデンサーまたはハイブリッド蓄積コンデンサーを使用する解決策の例を図2に示します。このバックアップ解決策では、「LTC3643」に焦点を当てています。入力が加わっている場合、このレギュレーターは入力電圧を最大40Vまで昇圧します。入力が遮断されると、LTC3643は降圧レギュレーターとして動作し、蓄積コンデンサーの電荷を負荷に放電しますが、設定電圧レベルを維持します。前述したスーパーコンデンサー解決策で説明した抵抗分割器には、この場合にも同じ機能があります。

図2 LTC3643:高電圧のバックアップ解決策。VINの最大値は17V

 前述したスーパーコンデンサー解決策と、この高電圧解決策は、どちらも入力電流を事前設定値以下に維持するために、蓄積コンデンサーの充電時間中はコンデンサーの充電電流を低減して、負荷の需要を優先させることができます。これが特に重要なのは、比較的入力インピーダンスが高いシステム(バッテリー駆動システムなど)や、低消費電力のAC-DCコンバーターまたはDC-DCコンバーターを電源とするシステムです。LTC3110のスーパーコンデンサー解決策では、この機能はRPRによって実現されます。LTC3643の高電圧解決策では、電流検出抵抗RSによって実現します。

最小限の部品、「廉価版」のホールドアップ解決策

 必要なホールドアップ時間が比較的短いコスト重視のプロジェクトの場合、図3に示す解決策では、最小限の部品コストと引き換えにホールドアップ時間が短くなります。この解決策は「LTC3946」を中心に据えており、通常は降圧コンバーターとして動作します。ただし、ここで入力電圧が遮断されると、LTC3946は昇圧変換に切り替わります。LTC3649は、デバイス自体の出力コンデンサーを放電することにより、限界負荷の端子での設定電圧を維持します。

図3 LTC3649:「廉価版」のバックアップ解決策。VINの最大値は60V

まとめ

 ここに示す解決策は、DC-DC電源ホールドアップシステムに主眼を置いており、広範囲の入力電圧をカバーしています。LTC3110の場合は1.8〜5.5V、LTC3643の場合は3〜17V、LTC3649の場合は3.1〜60Vです。入力電源が停電した場合でもデータのバックアップが必要な自動車用および産業用アプリケーションで、3つの解決策は全て正常に使用できます。

【著:Victor Khasiev/Linear Technology(リニア・テクノロジー)パワー製品 シニア・アプリケーション・エンジニア】

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