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» 2017年08月04日 08時00分 UPDATE

電池管理IC、双方向DC-DC:車載電子機器の市場トレンドと求められる電源IC (1/2)

ハイブリッド車や電気自動車をはじめとして自動車でのバッテリー搭載が進んでいます。また、自動車の電源電圧の48V化も進みつつあります。そうした自動車市場のトレンドを見ながら、どのようなバッテリーマネジメントICや電源ICが求められているのか考察していきます。

[Tony Armstrong(Linear Technology),EDN Japan]

拡大を続ける自動車市場

 自動車市場向け半導体市場は成長しています。成長を推進しているのは、安全性向上、燃料効率および、先進運転支援システム(ADAS)の要望です。さらに、ハイブリッド車(HEV)と電気自動車(EV)の普及は、革新的なアナログ電力変換製品の需要を押し上げ続けます。車載電子機器の増加に加えて、世界の自動車市場も着実に成長すると予想され、それによって車両増産の需要がますます高まっています。

バッテリー寿命を延ばすというニーズ

 自動車用電子システムには、駐車時であっても電力が常時必要になるアプリケーションが多数あります。その例として、リモートキーレスエントリーシステムやセキュリティシステムなどがあります。加えて個人用インフォテインメントシステムもあり、ここにはナビゲーション機能、GPS位置推定機能、eCall機能が通常組み込まれています。これらのシステムの電源を(車両が走行していない場合であっても)なぜ投入したままにしておく必要があるのか理解しづらい場合がありますが、緊急連絡や安全確保の目的から(例えば事故が発生した場合に車両の位置を正確に特定するため)、これらのシステムではGPSの機能を「常時オン」にしておく必要があります。これは、必要に応じて外部の作業者が基本的な制御を実行できるようにするためにも不可欠な要件です。したがって、これらのアプリケーションにとって重要な要件は、その電子システムから流れ出す静止電流を抑えてバッテリー寿命を延ばすことです。

写真はイメージです

 毎年どれほど多くの車両が販売されていても、車両に搭載される電子機器の構成比率が増加し続けることは明らかです。また、ハイブリッド車と電気自動車の販売活動は、この市場の成長を推進する要因になっています。バッテリーを電源に使用するのが普及しつつあるのと並行して、バッテリの耐用寿命を最大限に延長する要望もあります。バッテリーの不均衡(パックを構成する個々のセルの充電状態の不一致)は大容量リチウムバッテリーパックの問題であり、製造工程のばらつき、動作条件および、バッテリーの経年変化によって発生します。不均衡が生じると、バッテリーパックの総容量が減少し、場合によってはバッテリーパックを損傷することがあります。不均衡が生じると、バッテリーを充電状態から放電状態まで追跡することができなくなるので、注意深くモニターしていない場合はバッテリーの過充電や過放電を引き起こして、セルが回復不能な損傷を受ける可能性があります。

 HEVまたはEVのいずれかのバッテリーパックで使用されるバッテリーは、通常、顧客に出荷される任意のロット内でセル間のばらつきを低減するため、容量および内部抵抗に応じて並び替えられます。その後、パック内でのセル間の全体的整合性を向上するため、注意深く選択したバッテリーを使用して自動車のバッテリーパックを製造します。これにより、理論的にはあまり大きな不均衡がバッテリーパック内で発生しないはずですが、これにもかかわらず、大容量のバッテリーパックを製造する場合は、大きなバッテリー容量をバッテリーパックの寿命まで維持できるように、バッテリーのモニタリングとバッテリーのバランス調整の両方が要求されます。こうした要求に応えるバッテリー管理システム(BMS)ICが開発され、乗用車やバスに搭載され実績を積んでいます。

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