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悲鳴を上げて壊れたプリンタを修理【分解編】Wired, Weird(2/2 ページ)

» 2017年08月09日 11時00分 公開
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丹念に観察しながら、プリンタを分解

 まず、修理が可能かどうか判断するために、切れたタイミングベルトを細かく調べた。切れた箇所は1カ所だけだった。また、タイミングベルトの固定も1カ所しかなかった。ということは、切れたタイミングベルトを無理やり接続し、接続した部分を固定すれば、代わりのタイミングベルトがなくてもプリンタを直せる可能性があるということだ。

 次は、プリンタをどうやって分解するかWebで調べた。PX-A620の分解に関する質問はWeb上に多数投稿されていたが、回答は見つからなかった。どうやら分解はかなり難しいようだ。プリンタの構造からするとスキャナー部を外せれば何とか分解できそうだ。スキャナー部の右側はネジ1個で簡単に外せたが、左側の取り外しがかなり難しい。左側には電気配線があるのでここを調べた。スキャナー左側の電気配線部の写真を図3に示す。

図3:スキャナー左側の電気配線部。赤丸で囲った部分に固定ネジが見える

 図3の中央下に置いたが、配線カバーを少し強めに引っ張ったら配線カバーが外せた。コネクター4個とフラットケーブルを外し、配線を広げたら、スキャナー部の下側に固定ネジ(赤丸)が見えた。このネジを外したらスキャナー部分が上側に取り出せた。

アクリルが欠けてしまった……

 次は左側の黒いアクリルの操作パネルの取り外しだ。パネルの左側(外側)のロックを3カ所外したらパネルが浮いたので、少し持ち上げたらパネルが外せた。しかし操作パネルの内側(右側)にも2カ所の引っ掛けがあり、そのアクリル部分が欠けてしまった。外した後でパネルの取り付け構造をよく見たら、操作パネルを奥(後側)へ押せば簡単に外せる構造だった。パネルを外した写真を図4に示す。

図4:スキャナー部と操作パネル部を取り外したところ。5つの固定ネジ(赤丸部分)で中間パネルが固定されていた

 図4で中間パネルの固定ネジ(赤丸)が5個見えた。この穴の奥にあるネジ5個と操作パネルのネジを外し、給紙部分のケースのロック構造を外したら、中間パネルを持ち上げて取り外すことができた。図5に示す。

図5:中間パネルを取り外したプリンタ本体内部

 図5の中央右の四角の黒い箱は4個のインクが内蔵されたインクジェット部だ。インクジェット部の下にある金具を外せば、目標のタイミングベルトに近づけるだろう。図6に示す(なおこの写真はタイミングベルトを接続した後の写真だ)。

 

図6:金具を取り外したプリンタ本体内部の写真(タイミングベルト装着後)

 タイミングベルトはインクジェット部に固定されていた。またタイミングベルトは左右のローラーに引っ掛けてあった。左側のローラーにはモーターと連結された歯車があった。このモーターの歯車にタイミングベルトを引っ掛けてモーターを左右に回転させることで印刷する紙の上にインクジェット部を左右に移動させていた。これでプリンタの構造はほぼ把握できた。

苦戦した分解作業

 ここまでの分解はプリンタの固定構造を確認しながらの作業だったので1時間以上がかかってしまった。やはり、修理には根気と観察が必要だ。操作パネルのカバーの内側のロックを壊してしまったが、外側に黒いテープを貼れば何とか固定できるだろう。プリンタの修理作業の続きは次回に報告する。

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