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» 2017年10月16日 11時00分 公開

Design Ideas パワー関連と電源:過電圧と低電圧の監視を低コストで実現する (1/2)

マイクロプロセッサの電源管理には、一定の条件でマイクロプロセッサをリセットする信号を出力する機能を備えたスーパーバイザーICが広く使われている。安価なスーパーバイザーICは、電源電圧が設定値(下限値)を割り込んだときのみリセット信号を出力するものが多い。そこで、安価なシャント・レギュレーターICをスーパーバイザーICと組み合わせ、過電圧と低電圧の両方を監視できる回路を紹介する。

[Ilie Poenaru / Sabin Eftimie(Catalyst Semiconductor Romania, SRL),EDN Japan]

シャント・レギュレーターICとスーパーバイザーICの組み合わせ

 マイクロプロセッサの電源管理にはスーパーバイザーICが広く使われている。マイクロプロセッサの電源電圧の変動を監視し、一定の条件でマイクロプロセッサをリセットするための信号を出力する機能を備えたICである。安価なスーパーバイザーICは、電源電圧が設定値(下限値)を割り込んだときにだけリセット信号を出力するものが多い。

 そこで、安価なシャント・レギュレーターICをスーパーバイザーICと組み合わせることで、過電圧と低電圧の両方を監視できる回路を紹介する。電源電圧が設定値(上限値)より高くなったときにもマイクロプロセッサをリセットできる。

 スーパーバイザーIC(IC2)としてはマニュアル・リセット端子(MR)を備えたものを選ぶ(図1)。監視対象の電源電圧(VCC)が、あらかじめ設定しておいた上限値よりも高くなるか、下限値よりも低くなると、リセット信号を出力する。すなわちIC2のリセット信号出力(RST)端子の論理レベルがハイレベルからローレベルに変化する。

図1:過電圧と低電圧の両方を監視できる回路 (クリックで拡大)
マイクロプロセッサ用スーパーバイザーICにシャント・レギュレーターICを組み合わせることにより、低コストで機能を実現できる。

 電源電圧が正常値として設定した範囲内に復帰しても、RST端子は最小140msの間、論理レベルをローレベルに保持し、その後でハイレベルに遷移する。この遅延時間によって、マイクロプロセッサが動作を再開する前にシステムが安定状態に到達できる。

 図1ではスーパーバイザーICを使って電源電圧の下限値(VLOW)を設定する。スーパーバイザーICの動作しきい値電圧が、そのままこの回路の下限値になる。今回採用した「CAT811」(IC2)では、しきい値電圧が異なる7品種を標準品として入手できる。しきい値電圧の最小値は2.32V、最大値は4.63Vである。カスタム仕様品ではしきい値電圧を1.8Vと低く設定することも可能だ。

 一方、上限値(VHIGH)は出力可変型のシャント・レギュレーターIC「CAT431L」(IC1)と2個の抵抗(R1、R2)を使って設定する。IC1の内部基準電圧(1.24V)をVREFとすると、VHIGH=VREF(1+R1/R2)である。図1では、設定可能なVHIGHの最大値が5.5V、印加可能な電源電圧(VCC)の最大値が9Vになる。

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