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» 2017年10月26日 11時00分 公開

マイコン講座 データシートの読み方編(2):データシートの数値には“裏”がある! 「条件」を理解せよ (2/4)

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

低消費電力モードからの復帰時間

 低消費電力モードで待機していて、外部トリガーが入ってくると、復帰して、すぐに通信などを始めたい、という問い合わせが多くある。例えばUART通信で外部トリガーにより低消費電力モードから復帰してすぐに通信させる場合、低消費電力モードから復帰までの時間が長いと、マイコンが起き上がる前に通信が始まってしまい、最初の通信データを取りこぼしてしまう。そこで、重要になるのが復帰時間だ。

 図3に各低消費電力モードからの復帰時間を示す。前述したUARTの場合、外部トリガーからスタートビットが来るまでにマイコンは復帰しなくてはならないので、この図に示された時間を確保できる対応速度でなければならない。

図3:低消費電力モードからの復帰時間

 注意すべきことは、ここに記述されている値に、外部発振子の発振開始時間が含まれていないという点である。「CPU Clock cycle」(クロックサイクル)で規定されている場合は、大抵の場合、システムクロックが動作しているが、「μs」(マイクロ秒)で規定されている場合は、システムクロックが停止しているので、復帰と同時に発振回路が起動して、クロックの供給を始める(クロックを止める理由は、発振回路の消費電力を抑えるためである)。この場合、発振回路が内蔵のRC発振回路であれば、すぐに発振は始まるが、外部発振子、特に水晶振動子の場合は、発振開始まで時間がかかる。そのため、トータルの低消費電力モードからの復帰時間が長くなってしまう。残念なことに、水晶振動子の厳密な発振開始時間は水晶振動子の特性とマイコンの発振回路の特性と基板の特性の全てに影響を受けるため、マイコンのデータシートには参考値しか記載されていない。したがって、ユーザーが振動子メーカーに発振回路のマッチングを依頼して確認する必要がある。詳しくは「Q&Aで学ぶマイコン講座(2):水晶やセラミック発振子を使った発振回路の設計方法は?」で解説している。

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