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» 2017年10月26日 11時00分 公開

マイコン講座 データシートの読み方編(2):データシートの数値には“裏”がある! 「条件」を理解せよ (3/4)

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

発振回路特性

 一般的に、マイコンのシステムクロック源には、3通りある。1つ目は、外部クロックを直接入力する場合、2つ目は水晶振動子などの外部振動子を接続し、それを発振させてクロックを生成する場合、3つ目はRC発振などの内蔵発振回路でクロックを生成させる場合だ。

外部クロック入力

 図4に、外部クロックを直接入力する場合のスペックを示す。

図4:発振回路特性(外部クロック入力) (クリックで拡大)

 ここでポイントとなるのはクロックの波形である。具体的にはクロックの立ち上がり/立ち下り時間、Highレベル/Lowレベルの幅、そしてHighレベル電圧/Lowレベル電圧が規定されている。

 ほとんどのユーザーは外部振動子か内蔵発振回路を使うので、外部クロックに関してのトラブルは少ないが、ノイズなどが原因で、前述のスペックが守られないと、誤動作を起こすので注意が必要だ。

外部振動子用発振回路

 図5に水晶振動子などの外部振動子を接続する場合のスペックを示す。

図5:発振回路特性(外部振動子用発振回路) (クリックで拡大)

 この場合で、最も多い問い合わせが「過去に使っていた水晶振動子を今回も使ったが、発振しない。または、発振特性が悪い」というものだ。そもそも発振回路は電気回路であって、水晶振動子の電気的特性とマイコンの発振回路の電気的特性が合っていないと発振(電気的振動)しない。過去に使っていた振動子を、何も考えずに別のマイコンに使ったからと言って必ずしも発振するというものではない。そういう意味で、図5に記載されているスペック(特性)は非常に重要なスペックだと言える。「Condition」(コンディション)の欄にESRとCLの値が記載されているので、この値を参考にして振動子を選択する必要がある。STM32ファミリなどのマイコンではデータシートとは別にアプリケーションノートが準備されていて、その中にメーカー推奨の水晶振動子の型式が記載されているので、それを参考にして振動子を選ぶことができる。振動子が決まったら、振動子メーカーにマイコンと振動子を実装した基板を送ってマッチングを確認してもらうことが重要だ(詳細はQ&Aで学ぶマイコン講座(2):水晶やセラミック発振子を使った発振回路の設計方法は?参照)

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