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» 2017年11月29日 12時15分 公開

マイコン講座 データシートの読み方編(3):データシートの勝手な解釈は禁物! いま一度、数字の意味を考えよう (2/4)

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

汎用I/O

 図4に汎用I/Oの入力静的特性、図5に出力静的特性を示す。静的特性とは、入力電圧や出力電圧など、基本的に変化しない特性で、DC特性と呼ばれることもある。これに対して、立ち上がり/立ち下がり時間などの、信号の変化に対する特性を動的特性(図6)と呼ぶ。動的特性はAC特性やタイミング特性と呼ばれる場合もある。

図4:汎用I/O(入力静的特性) (クリックで拡大)

 図4では、入力のLowレベルVILが最大値で、HighレベルVIHが最小値で規定されて「あれ、Lowレベルが最大値? Highレベルが最小値?」と思われた読者がいるかもしれない。しかし、この記述は間違っていない。信号のLowレベル信号の電圧VILをだんだん高くしていくと、ある時点で、Lowレベル信号とみなされなくなる。したがってLowレベルとみなされなくなる電圧を規定したのがVILの最大値である。逆に、VIHでは、Highレベルとみなさなくなる最小値が規定されている。シュミット特性を持っている場合はシュミット幅も規定されている。

 リーク電流とは、汎用I/O端子がH-Z(ハイインピーダンス)状態で、VDDを印加した場合とGNDに接続した場合に流入/流出する漏れ電流のことである。従って±の値で規定されている。

 図5に静的出力特性を示す。LED(Light Emitting Diode/発光ダイオード)をマイコンで直接駆動したい場合に、ユーザーから「汎用I/O端子には何ミリアンペア流せますか?」と聞かれるが、「その際にVOL/VOHが何V変化しますか?」と聞かれることはまずない。多くのユーザーはあまり気にしていないようであるが、MOSのオン抵抗による電圧降下によって、大電流を流した時には、VOL/VOHは変動する。その値がここでは規定されている。表の最上段の項目は、汎用I/O端子に8mA流した場合のVOL/VOHの変動を示している。VOLは最大0.4V上がり、VOHはVDDから最大0.4V下がる。言い換えるとMOSのオン抵抗によって、どちらの場合も0.4Vの電圧降下が発生するということになる。表の中段には、20mAを流した場合が示されていて、VOL/VOHどちらも最大1.3V変動する。VDDが2.7Vの場合の1.3Vは結構大きな割合なので、信号を受ける側の入力閾(しきい)値をチェックする必要がある。

図5:汎用I/O(出力静的特性) (クリックで拡大)

 図6に、動的特性を示す。立ち上がり/立ち下がり時間は汎用I/O端子の負荷に影響を受ける。コンデンサー容量成分が大きいと、コンデンサーを充放電するために時間がかかり、立ち上がり/立ち下がり時間が長くなる。また、電源電圧が低くなると、汎用I/O端子の駆動能力も低くなるので、立ち上がり/立ち下がり時間が長くなる。この製品の場合、ユーザーが汎用I/O端子の駆動能力をレジスタの値で制御できるので、負荷容量と電源電圧が変化しても、立ち上がり/立ち下がり時間を、ある程度一定に保つことができる。

図6:汎用I/O(動的特性) (クリックで拡大)

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