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平面型トランスとDC-DCコンバーターのパッケージDC-DCコンバーター活用講座(11) 電力安定化(11)(2/2 ページ)

» 2017年12月18日 11時00分 公開
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DC-DCコンバーターのパッケージスタイル

 このセクションでは、業界標準として使われているDC-DCコンバーターのケーススタイルについて、その概要を示します。ピン配置、ピン直径、および公差に関する詳細は、メーカーのデータシートを参照してください。

 ケーススタイルを示す際に一般的に使われる表示形式の1つが接続ピンの配置を示す方法で、SIL(Single-In-Line)またはSIP(Single-In-line-Pins)ケースのピン配置は1列、DIL(Dual In Line)またはDIP(Dual In-line Pins)ケースのピン配置は2列です。一般にSIPケースは超小電力(2W未満)の非絶縁DC-DCコンバーターに使われ、DIPケースは小電力(10W未満)のコンバーターに多く使われます。ケーススタイルが違う主な理由は、コンバーターの重量です。超小電力コンバーターの重量は3g程度にすぎず、振動によりピンが破損することはまれです。小電力コンバーターはもう少し重く30g程度なので、機械的安定性を保つためは2列のピンが必要です。

 大電力コンバーター(10W以上)は、出力電圧が低く大量の電流が流れます。また、通常は放熱性を良くするために、メタルケースを使用します。よって、大量の電流と大きな重量に対応するために、これらのコンバーターには太い接続ピンが必要です。大電力コンバーターに使われる表示方法はケース寸法をインチで表すもので、例えば1″×1″、2″×1″、1.6″×2″、2″×2″が一般的サイズです。

 米国および通信業界で一般的なのは、「ブリック」方式によるケース・サイズです。1ブリックは2.4″×6″×0.5″(61mm×116.5mm×12mm)で、特にDC-DCコンバーターの基準サイズとして使われます。ブリック方式による表示の1つに、1/2ブリック、1/4ブリック、1/8ブリック、1/16ブリックのように、2の倍数を分母とする分数でブリックを表わす方法があります。

 コンバーターのサイズとピン配置を標準化して異なるメーカーのコンバーターの互換性を確立するために、さまざまな試みがなされてきました。有名なのがDOSA(Distributed-power Open Standards Alliance)と、そのライバルであるPOLA(Point Of Load Alliance)で、ともにデジタルPOLコンバーターとレシオメトリックコンバーターに焦点が当てられています。ただし、ほとんどのメーカーは、あるコンバーターシリーズに対して数種類の標準ピン配置オプションを提供しています。これは、競合他社の製品に対抗するとともに、互換品使用時にドロップインソリューションとして対応できるようにするためです。

 しかし、ピンのナンバリングに関しては合意された標準がないので(あるものは上から見て左上隅から順に番号を振り、あるもののナンバリングにはオプションピンが含まれ、あるものには含まれていない等々)、データシートを注意深く比較して、ピンの互換性を確認する必要があります。

 RECOMのポートフォリオを構成するケーススタイルの一部を以下に示します。ここに示す一覧は全ての製品を網羅しているわけではなく、一般的に提供されているさまざまなパッケージングオプションの概要が分かるように選択されたものです。

図2:RECOMが提供する製品ケーススタイルの一部 出典:RECOM(クリックで拡大)

⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら

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執筆者プロフィール

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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