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» 2018年01月31日 11時00分 公開

マイコン講座 ESD対策編(1):ESDによる不具合発生メカニズムと対策のヒント (1/4)

今回から2回にわたり、マイコンを使用する上で必要不可欠な「ESD対策」について解説していく。第1回は「ESDの破壊モード(メカニズム)」と「ESDの主な発生要因とその対策」を取り上げる。

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

意外と見過ごすESD

 ユーザーから、マイコンメーカーのエンジニアである筆者宛に不具合の連絡があった。不具合が生じたマイコンを解析してみると原因はESD(Electro Static Discharge)による破壊だった。その後、同じユーザーから、頻繁に不具合解析の依頼を受けるようになり、その不具合原因のほとんどがESD破壊によるものだった。対象製品の事例を社内のデータベースで調べてみると、全社で不具合の履歴はなく、このユーザーだけの事象であることが判明した。

 また、別のユーザー、別のマイコンでも頻繁に不具合が起こり、解析してみると、こちらも原因はESD破壊ということがあった。このマイコンもデータベースを調べたが、このユーザーでのみ不具合が発生していた。

画像はイメージです。

 調査を進めていくと、どちらのユーザーのシステムでも、マイコンがESDを受けやすく設計されていて、実際の使用状態で頻繁にESDが発生し、最終的にマイコンが破壊に至っていることが分かった。

 マイコンの内部には、端子に高電圧が印加された場合に電圧を逃がして、マイコンを破壊しない仕組みが備えられている(参考記事1)が、その保護回路の限界を超えた電圧が印加されると、マイコンは破壊されてしまう。マイコンを使用する上で、ESD対策は必要不可欠なため、本記事では、ESDの発生メカニズム、故障モード、対策について詳しく解説する。

 第1回目は、まず「ESDの破壊モード(メカニズム)」を解説し、次に「ESDの主な発生要因とその対策」を「(1)人体が帯電する場合」と「(2)製造装置が帯電する場合」と「(3)マイコン本体が帯電する場合」の3つに分けて解説する。

 第2回目では、「実際のESD破壊例」と「システム設計時の対策」と「ESD耐性試験の標準規格と試験方法」について詳しく解説する。

 ESDの基礎知識については以下の記事を参考にしていただきたい。

 また、本文中に出てくる解析方法、用語については以下の記事を参考にしてほしい。

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