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» 2018年02月20日 11時00分 公開

アナログ回路設計:オペアンプのダイナミック応答の検討(2) タイプ2補償回路の伝達関数 (1/8)

第2部では、2つの極の概要とそれらがフィルターの最終的な性能に対してもたらす歪みについて考察しながら、タイプ2の補償回路の伝達関数を決定する方法を説明します。

[Christophe Basso(ON Semiconductor France SAS),EDN]

 第1部では、タイプ2の補償回路の使用時にオペアンプの開ループゲインAOLが及ぼす影響を示しました。分析をさらに進め、オペアンプの振幅と位相の観点で応答を詳細に観察すると、低周波および高周波の2つの極が存在することが分かります。狭帯域幅設計でこれらの極の存在を無視できる場合、広帯域幅システムでゲインと位相ブーストが必要になった時に、これらの極がもたらす歪みについて説明できなければなりません。

 この第2部では、2つの極の概要とそれらがフィルターの最終的な性能に対してもたらす歪みについて考察しながら、タイプ2の補償回路の伝達関数を決定する方法を説明します。

オペアンプに存在する2つの極

 安定性の理由から、オペアンプの設計者は「支配的な極による補償」と呼ばれる手法を実装しています。この手法では、低周波に1つの極を配置して周波数fcでゲインが1(0dB)にロールオフするように設定し、ついで2番目の高周波に位置する極を配置します(通常は2fcの地点を使用)。

図1:オペアンプの開ループ・ダイナミック応答を参照すると2つの極の存在が分かる

 図1に従来型オペアンプ「μA741」の特性を示します。この特性では、1MHzにクロスオーバー周波数、5Hz付近に低周波の極があり、2番目の極が約2MHzの地点に自動的に現れていることが分かります。この図は開ループゲインAOLが106dBである製品の代表的な応答であることに注意してください。開ループゲインは高精度で制御されたパラメーターではなく、かなり大きく変動する可能性があります。データシートでは、全動作温度範囲(−55〜125℃)においてゲインが15k(83.5dB)から200k(106dB)まで変動すると規定しているため、離散が発生するとこの曲線が移動すると予測されます。

 図1に示したこの2つの極を持つ開ループ応答を次の簡単なラプラス式で表現できます。

式1

 図2に示すMathcadプロットでこれが確認されます。

図2:オペアンプは低周波に位置する1つの極と0dBのクロスオーバー周波数を超える地点に配置される2番目の極を持つ
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