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» 2018年02月28日 11時00分 公開

マイコン講座 ESD対策編(2):ESDの発生事例とシステム上の対策 (3/4)

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

システム設計時のESD対策

 マイコンを実装したプリント基板上でESDを対策する方法はいくつかある。配線に抵抗、チョークコイルを直列に挿入したり、端子とグランド間にコンデンサーを入れたりしてサージ電圧を緩和する方法が簡単かつ安価である。だが、これらの方法は、電気的特性に影響を及ぼす。

 電気的特性に影響を与えずにESDからマイコンを保護する方法としては、ESD保護ダイオード*1)がある。保護ダイオードには内部のダイオードの構成によって単方向タイプと双方向タイプの2種類がある。

 図4に双方向タイプのESD保護ダイオード「ESDZV5-1BF4」*2)の例を示す。

図4:双方向タイプのESD保護ダイオード「ESDZV5-1BF4」の動作 (クリックで拡大)

 この保護ダイオードは、端子とグランド間に挿入する。サージ電圧が端子に印加された場合には、保護ダイオードがサージ電圧を30秒ナノ後には数ボルトまでクランプ(図4では7V)するので、ESDからマイコンを保護することができる。通常時のマイコンが動作しているときには、グランドと絶縁しているため、電気的特性に影響を与えることはない。

 なお、単方向タイプのESD保護ダイオード「ESDZL5-1F4」*3)の例も示しておく。

図5:単方向タイプのESD保護ダイオード「ESDZL5-1F4」の動作

 ESD保護ダイオードの性能評価は、サージ電圧8kVのESDガン(コンデンサーと内部抵抗を内蔵)を用いて端子の配線上に印加し、端子直近の電圧値をオシロスコープで観測する方法を用いる。

 観測波形上でESD印加直後のピーク電圧値は「ピーククランピング電圧」、印加30ナノ秒後の電圧値は「30ナノ秒後のクランピング電圧」と呼ばれ、この2つの値がESD保護デバイスの性能を表す。この2つの値が低ければ低いほど、ESD保護性能が高いことはいうまでもない。

【参考情報】
  *1)小型スマート機器向けに、業界最高の保護性能を実現する0201パッケージのESD保護ダイオードを発表
  *2)ESD保護ダイオード「ESDZV5-1BF4(双方向タイプ)」
  *3)ESD保護ダイオード「ESDZL5-1F4(単方向タイプ)」

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