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» 2018年03月12日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(15) データシートの理解(1):データシートのパラメーターの理解 (2/2)

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]
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測定方法 - DC特性

 前述したように、DC-DCコンバーターの電気的挙動は、データシートに規定されているさまざまなパラメーターによって決まります。てっとり早く、かつ効率的にコンバーターの特性を知り、データシートの有効性を知るには、計測行列が役立つことが多いでしょう。測定マトリクスを用いると、負荷と入力電圧のさまざまな組み合わせが比較できます。

 図1は標準的な測定マトリクスの設定です。

図1:測定マトリクス 出典:RECOM(クリックで拡大)

 有用で信頼性の高い測定値を得るためには、ユーザーは測定に際して基本的な事前対策をとる必要があります。テストの準備の際には、DC-DCコンバーターとの接触抵抗はできる限り小さくしてください。通常、測定端子にはさまざまな接触抵抗があるため、最良の計測装置は図2に示すような”ケルビン”接続です。

図2:測定装置 出典:RECOM(クリックで拡大)

 ケルビン接続では、電流と電圧の経路がそれぞれ独立してピンに接続されます。マルチメーターを使う場合、メーターソケットの中の4mmコネクターを2つ以上のメーターに接続したくなりがちですが、これは、重大な測定誤差につながりかねません。各メーターは、上図に示すように、それぞれ別にコンバーターのピンに接続しなくてはなりません。

 コンバーターに負荷をかける場合、電力抵抗器または電力加減抵抗器が使えますが、電子負荷を使う方が簡単でしょう。しかし、電子負荷だと、電流を適切にレギュレーションするためには最小入力電圧が必要な場合もあるため、出力電圧が4V以下のコンバーターには、多くの場合、電力抵抗器が唯一の選択肢です。

 ベンチ電源装置を使えば電力の調節はしやすいですが、入力テストの必要条件の全てをカバーできるような電圧および電流を供給できることを確認してください。VIN, MAXを供給するには複数の電源を組み合わせる必要があるかもしれません。電源制限は、最小入力電圧時でもDC-DCコンバーターに十分な電力が供給されるような値に設定してください。最後に、コンバーターのスイッチをオンにする前に極性を確認してください。というのも、ほとんどのDC-DCコンバーターは逆極性保護がされていないからです。


⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら


執筆者プロフィール

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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