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» 2018年03月27日 11時00分 公開

IIoTの実現に不可欠:ITとOTネットワークを融合する「TSN」の概要と実装 (2/4)

[Michael Zapke/Adam Taylor(Xilinx),EDN Japan]

ネットワークを融合するTSNの概要

 ネットワークの融合は「IEEE 802.1 TSN(Time Sensitive Networking)」(以下、TSN)によって実現される。TSNを実装することで、同じネットワーク上でベストエフォート型通信の利点を維持しながら、イーサネット越しの決定論的通信が実現できる。

 TSNによって、同じリンクを共有するさまざまなトラフィッククラスが導入される。TSNネットワーク構成では、決定論的時間特性を持つストリーム用にリソースが確保される。つまり、複数の通信規格をサポートする単一の共通ネットワークを実装可能だ。これにより、標準的なイーサネットと比べて複数の向上がもたらされることになる。

 標準的なイーサネット通信は、時刻同期ではない。送信用にキューイングされたパケットを使用して、リンクの帯域幅全体でデータを配信する。

 TSNでは、周期間隔によるオフセットを構成したトラフィックを使用して時刻同期性が実装される。この実装では、1台のネットワーク構成コントローラーによって、配信されるスケジュールに従う。また、TSNストリームのためのフィルターとポリシー、シームレスな冗長性が導入され、周期的なデータ送信をサポートすると同時に、優先順位の高いパケット向けの割り込み優先制御も提供する。

 TSNは、図2に示すIEEE 802.1規格で規定されている。2017年9月時点では、この規格のうち4つが採択されており、その他はタスクグループやワーキンググループの段階である。

図2:IEEE TSN 規格
規格 / IEEE ドラフト 名称 ユーザーの利点
IEEE 802.1AS
(P802.1ASrev に進展中)
ネットワーク時刻同期 全てのノードが同じ時刻を共有
IEEE 802.1Qbv スケジュールされたトラフィック スケジュールされたイーサネットフレームの衝突の回避
IEEE 802.1Qci フィルタリングおよびポリシング ネットワークから情報漏えいノードを排除(セキュリティ)
P802.1CB シームレスな冗長性 損失ゼロの切り替え
P802.1Qcc ストリーム予約 IEEE 準拠のパス プロビジョニング
IEEE 802.1Qbu および
IEEE 802.3br
フレーム割り込み/超優先転送 リアルタイム動作のための妥協をせず、最大限の帯域幅を確保

 これらの規格はIEEE 802.3物理層により、イーサネットを拡張して実装されている。スター型とチェーン型、リング型、複合型のトポロジーをサポートし、特定のデータ転送速度に制限されない。産業用アプリケーションでは、主に100Mビットと1Gビットのデータ転送速度を使用する。すなわち、TSNによってITとOTネットワークが融合可能だ。ネットワークの実装コストが削減され、所有コストと運用コストが大幅に低下する。

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