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» 2018年03月23日 11時00分 公開

Q&Aで学ぶマイコン講座(40):マイコンの発熱 ―― 検討事項と熱計算方法 (1/4)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。40回目は、中級者の方からよく質問される「マイコンの発熱」についてです。

[菅井賢(STマイクロエレクトロニクス),EDN Japan]

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 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、中級者から多く寄せられる質問です。

 データシートには、「電気的特性」以外に「熱特性」という項目があり、いくつかのパラメーターと計算式が記載されています。これは何を表すのでしょうか? マイコンを使用する際に必要な検討事項でしょうか? 意味と実際の計算方法を教えてください。

 マイコンが動作すると電力を消費します。この電力によって熱が発生します。マイコンチップは、プラスチックなどでモールド(密閉)されていますので、パッケージの中に熱がこもります。その結果、マイコンチップの温度が上昇します。一方、マイコンの動作温度範囲は規定されていて、その範囲外の温度で使用すると、正常動作は保証されません。すなわち、マイコンチップのPN接合部温度が動作温度範囲で規定された値を超えてはいけません。そのため、ユーザーはマイコンの消費電力からマイコンチップの温度上昇量を計算して、動作温度範囲を超えないように設計する必要があります。

 図1に熱計算式を示します。

図1:マイコンの熱計算式 (クリックで拡大)

 熱計算は、熱抵抗という概念を使って計算します。熱抵抗は温度の伝わり方を数値化したものです。単位時間当たり発熱量当たりの温度上昇量を意味します。単位は℃/Wです。温度と熱抵抗と発熱量は「温度=熱抵抗×発熱量」の関係が成り立ちます。マイコンの消費電力(W)を見積もり(または実測して)、データシートに記載されている熱抵抗(℃/W)を掛けて、マイコンチップの温度上昇を算出します。それに周囲温度を加えれば、PN接合部温度を求めることができます。

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