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» 2018年03月26日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(16) データシートの理解(2):DC-DCコンバーターのAC特性 (4/4)

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]
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クロスレギュレーション

 このパラメーターは、バイポーラまたは多出力コンバーターにのみ適用されます。一方の出力は全負荷に固定され、もう一方はそれより低い負荷、一般的には25%の負荷(低負荷)になります。次に負荷を切り替えて、今度は前者の出力が25%負荷、後者の出力が100%負荷になります。クロスレギュレーションは、以下の2つの式の計算結果のうち、高い方の数値をパーセントで表したものです。

式4:クロスレギュレーションの計算

ラインレギュレーション

 ラインレギュレーションは、入力電圧の最小値(VL)から最大値(VH)までの変動による出力電圧の偏差です。負荷は、通常、最大電流に固定されます。ラインレギュレーションは、公称出力電圧値からの出力電圧の偏差をパーセントで表したものです。負荷レギュレーションと同様に、出力電圧は入力電圧とともにリニアに変化します。そのため、公称入力電圧(VN)および、VLとVHの差がこのパラメーターを決定するために使われます。次式はVLからVHまでの入力電圧の全範囲で出力電圧偏差を測定した結果に基づいたもので

す。

式5:ラインレギュレーションの計算

 公称入力電圧は、通常、入力電圧範囲のほぼ中央で定義されます。そのため、例えばデータシートにラインレギュレーションが±1%と規定されていたら、入力電圧がVNからVHに変化すると出力電圧は+1%増加し、入力電圧がVNからVLに変化すると、出力電圧は−1%低下するということです。

 非安定型レギュレーターは、ラインレギュレーションがありません。固定負荷では、出力電圧は入力電圧が高くなれば高くなり、入力電圧が下がれば下がります。ただし、その対応は通常1:1ではなく、入力電圧が1%変化したからといって必ずしも出力電圧も1:1変化するとは限りません。入力電圧の出力電圧への影響は、全負荷時で“VINのx%/1%”の形で規定されます。例えば、非安定型コンバーターのラインレギュレーションがVINの1.2%/1%となっていた場合、入力電圧が1%高くなるごとに出力電圧は1.2%高くなります。


⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら


執筆者プロフィール

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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