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» 2018年04月16日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(16) データシートの理解(3):DC-DCコンバーターの効率の計算 (1/4)

今回の記事では、前回に引き続きデータシートを読み取る上で必要なDC-DCコンバーターの諸特性について解説します。

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]

ワーストケースの出力電圧精度

 出力電圧値のワーストケースは、出力電圧精度、使用負荷範囲での負荷レギュレーション、使用入力電圧範囲でのラインレギュレーション、温度係数の限界値の組み合わせになります。誤差は累積されるものなので、計算順序に影響を受けます。しかし、通常は各誤差を個別に扱って出力電圧の限界値の第一近似値を得ることができます。

出力電圧値のワーストケース

 例えば、公称出力電圧が5V、出力電圧精度が±2%、負荷レギュレージョンが±0.5%、ラインレギュレーションが±0.3%、動作温度範囲でのTCが+1.2%/−1.3%とすると、以下のようになります。

効率の計算

 電圧変換効率は、入力電力に対する出力電力の比で表されます。無負荷時には、効率は常にゼロになります。一般的にはパーセントで表されますが、正規化数で表されることもあります。普通データは、公称入力電圧で全負荷時といった複数の条件下で与えられます。このパラメーターの複雑さを理解してもらうために、図1に、異なる測定条件での同一DC-DCコンバーターの効率曲線を示します。

図1:コンバーターの効率曲線の例(RP30-2405S) 出典:RECOM(クリックで拡大)

入力電圧の範囲

 DC-DCコンバーターの入力電圧の範囲は、入力電圧限界値であるVLからVHまでで、この範囲でならコンバーターは正しく動作し、安定した出力電圧が保証されます。多くのコンバーターはこの範囲外でも動作しますが、その場合は、データシートに記載されている全ての仕様には合致しない可能性もあります。大電力コンバーターは、入力電圧が低すぎるために入力電流が多くなりすぎた場合にコンバーターを停止させる、低電圧ロックアウト(UVL)回路を備えていることもあります。この回路は、入力過電流による損傷からコンバーターを保護します。データシートには、内部部品の電圧限界を超えるまでにコンバーターが耐えうる最大入力電圧を規定した“絶対最大定格”が記載されていることもあります。

実用的ヒント

 データシートに記載されている入力電圧の範囲は、連続的な電圧の範囲です。多くの場合、それより高い過渡電圧を印加しても損傷を与えることはありません。例えば、5V出力の降圧スイッチングレギュレーターR-785.0-0.5は、入力電圧の範囲が6.5〜32Vで、入力電圧の絶対最大定格は34Vですが、50V/100ミリ秒のサージ過渡にも、1000V/50マイクロ秒の高速過渡にも耐えます。


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