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DC-DCコンバーターの効率の計算DC-DCコンバーター活用講座(17) データシートの理解(3)(3/4 ページ)

» 2018年04月16日 11時00分 公開

 この問題の解決策はヒカップ保護機能を使うことです。出力電流が設定限界値を超えると、コンバーターは即座にシャットダウンします。その後、しばらくするとコンバーターは再開を試みます。出力電流がまた限界値を超えるとコンバーターは再びシャットダウンし、同じサイクルを繰り返します。

 ヒカップ保護機能の長所は、障害が解消すると、コンバーターが次のヒカップで自動的に再開することです。また、もう一つの長所として、短い出力パルスが瞬間的に内部電力消費を増加させても、ヒカップ間の長い待機時間中に内部部品が再び冷えて、コンバーターが冷えた状態で直接短絡状態に入ることが挙げられます。

 ヒカップ保護機能の短所は、高い容量性負荷がヒカップメカニズムを作動させる可能性があり、コンバーターに高い容量性負荷が接続されると決して始動しなくなることです。もう1つの短所は、DC-DCコンバーターが、長いケーブルのネットワークのバス電圧を供給するのに使われた場合に、ケーブルのどこに短絡が起きてもヒカップメカニズムを作動し、ヒカップ電流のスパイクは不具合箇所の特定を非常に難しくします。

図3:ヒカップ特性 出典:RECOM

実用的ヒント

 ヒカップ保護機能のついたDC-DCコンバーターの短絡機能をテストする一番簡単な方法は、音を聴くことです。ヒカップ保護機能つきのDC-DCコンバーターは、始動を試みるたびにカチッという音がします。あるいは、電流シャントつきのオシロスコープを使って出力をモニターする方法もあります。


 電流制限性能または電流フォールドバック性能を計測するためには、図4に示す装置を使うことができます。上のテスト装置では、デジタルマルチメーター(DMM)がDC電流計

測モードで使われていて、内部シャント抵抗が短絡素子として使われています。この装置をモニターして、DC-DCコンバーターの出力端子の電圧が100mVを越えていないかどうかを調べます。短絡電流がさらに大きくDMMの測定範囲を越えたり、電圧降下が0.1Vより大きくなってしまうような場合には、外部電流シャントを使う必要があります。シャント抵抗値は、RS < 0.1V/ISHUNTおよびPV > 0.1V ISHUNTの条件を満たすものにします。

図4:短絡特性の測定 出典:RECOM(クリックで拡大)

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