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» 2018年04月16日 11時00分 公開

DC-DCコンバーター活用講座(17) データシートの理解(3):DC-DCコンバーターの効率の計算 (4/4)

[Steve Roberts(RECOM),EDN Japan]
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オンとオフのリモート制御

 多くのシステムにおいて、DC-DCコンバーターのオンとオフをリモート制御できると便利です。消費エネルギーの低減、あるいは電源投入と切断シーケンス制御の効率面と安全面の理由からです。そのため、多くのDC-DCコンバーターは、コンバーターをスタンバイモードに切り替えできるように制御入力(オンオフ制御ピン)を備えています。制御ピンは、どのようなオープンコレクタ信号またはNPNトランジスタであってもコンバーターの制御に使えるよう、駆動しやすいピンになっており、高電力コンバーターをスイッチするのにもわずか数ミリアンペアの駆動電流しか必要としません。

実用的ヒント

 制御ロジックのタイプには注意が必要です。正論理というのは、信号がHまたは論理値1のときにコンバーターがオンになり、信号がLまたは論理値0のときにオフになる論理です。制御入力は内部でHにプルアップされているので、もしどこにも接続しなければ、コンバーターはオンになります。このタイプは、制御ピンが不要ならコンバーターはアクティブになるので一般的です。


 負論理というのは、信号がHまたは論理値1のときにコンバーターがオフになり、信号がLまたは論理値0のときにオンになる論理です。制御入力は内部でHにプルアップされているので、もしどこにも接続しなければ、コンバーターはオフになります。特定の外部条件が最初に成立したときだけコンバーターが起動されるというような、安全性が重要なアプリケーションではこのタイプが便利です。

 絶縁型コンバーターでは、データシートにオンオフ制御の基準になっているのがどのピンなのかも書いてあるはずです。大抵の場合は、基準電位は一次側のグランドですが、中には、オンオフ制御が出力側にあって二次側のVOUT−が基準電位になっているコンバーターもあります。イネーブル信号が一次側から出ている場合、フォトカプラのような絶縁素子を使って出力を切り替える必要があります。

 全ての制御ピンの入力は、制御信号がゆっくりと上昇する場合に切り替えが繰り返されるのを防ぐため、ある程度のヒステリシスを持っていなくてはなりません。この状態が発生する可能性があるのは、例えば、制御ピンに外部RC遅延回路を使って、入力電圧が安定するまでコンバーターの始動を遅らせるくようなケースです(図5)。

 データシートには、リモートピン電圧VREMOTEがしきい値として規定されています。標準値は0 < VREMOTE < 1.2Vのときに論理値‘0’で、3.5 < VREMOTE < 12Vのときに論理値‘1’です。この意味は、VREMOTE電圧が上昇していくときに1.2Vを超えるとコンバーターはスイッチオンし、VREMOTE電圧が下がっていくときに3.5Vを下回るとスイッチオフするということです。時間遅延回路の中のダイオードは、入力電圧がスイッチオフしたときに時間コンデンサーを確実に急放電させ、電力がまたすぐに印加された場合にも時間の遅延を一定に保ちます。

図5:オンオフ制御ピンのさまざまな駆動方法 出典:RECOM(クリックで拡大)

⇒「DC-DCコンバーター活用講座」連載バックナンバーはこちら


執筆者プロフィール

Steve Roberts

英国生まれ。ロンドンのブルネル大学(現在はウエスト・ロンドン大学)で物理・電子工学の学士(理学)号を取得後、University College Hospitalに勤務。その後、科学博物館で12年間インタラクティブ部門担当主任として勤務する間に、University College Londonで修士(理学)号を取得。オーストリアに渡って、RECOMのテクニカル・サポート・チームに加わり、カスタム・コンバーターの開発とお客様対応を担当。その後、オーストリア、グムンデンの新本社で、RECOM Groupのテクニカル・ディレクタに就任。



※本連載は、RECOMが発行した「DC/DC知識の本 ユーザーのための実用的ヒント」(2014年)を転載しています。

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