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» 2018年09月05日 11時00分 公開

Bluetooth mesh入門(3):デバイスの管理 〜Bluetooth meshネットワークへの追加と削除 (1/3)

今回は、Bluetooth meshネットワークにデバイスを追加あるいは削除する方法について解説します。

[Martin Woolley(Bluetooth SIG),EDN Japan]

「会員制のクラブ」に似ているBluetooth meshネットワーク

 Bluetooth meshネットワークは、“会員制のクラブ”に似ています。クラブの会員であれば、クラブ施設の中に入り、会員タイプに応じた設備やサービスの利用ができます。会員でなければ、入口のドアから先には入ることすら許されません。

 同じようにBluetooth meshデバイスも、Bluetooth meshネットワークの会員のようなものです。会員になれば、同じネットワーク上の他の会員(デバイス)と、最低でも基本的な通信を行えるようになります。会員でない場合は、何を送信しようがネットワーク上の他のデバイスには完全に無視されます。

 そしてBluetooth meshデバイスには、会員タイプに似た仕組みがあります。スポーツジムやゴルフ場でも、誰もがクラブの全ての設備を利用できるわけではなく、会員タイプによって利用できる施設は異なります。Bluetooth meshも、それと同様で、Bluetooth meshデバイスが完全に連携できるのは、ネットワーク内の特定のデバイスに限られています。

 これを実現するために使用されるのが、アプリケーションの概念です。例えば、Bluetooth meshの照明スイッチが同じネットワーク上にあるBluetooth mesh照明を点灯/消灯できるのは、どちらのデバイスも照明アプリケーションに属しているからです。その照明スイッチで暖房システムのスイッチを入れることはできません。暖房システムは照明アプリケーションには属していないからです。

図1 Bluetooth meshネットワークのイメージ

セキュリティ

 デバイスをBluetooth meshネットワークの“会員(メンバー)”にするためには、プロビジョニングというセキュアなプロセスを用いて、ネットワークに追加する必要があります。

 セキュリティはBluetooth meshネットワークにとって極めて重要な位置付けにあり、次回に取り上げる予定です。Bluetooth meshネットワークのデバイスの追加と削除のプロセスでは、どちらの場合もセキュリティの確保がプロセスの中核を成しています。

 Bluetooth meshネットワークでは、数種類のセキュリティキーを使用して、ネットワーク内の個々のアプリケーションを保護、分離すると同時にネットワーク全体のセキュリティを守ります。ネットワークの“メンバー”となり、アプリケーションに関わる権利を得るには、デバイスは連続するそれぞれの段階で適切なセキュリティキーの取得が必要です。またネットワーク上のノードは全て、「NetKey」と呼ばれるネットワークキーを持っています。デバイスは、このキーを所有することで、ネットワークのメンバー、すなわち「ノード」であると認められます。

 連載第1回では、デバイスとノードという技術用語を紹介しました。Bluetooth meshネットワークのメンバーであるデバイスを「ノード」と呼び、そうでないものは「デバイス」と呼ぶと説明しましたが、今回はメッシュネットワークのメンバーになっていないデバイスを太字で「デバイス」と表記し、厳密な意味を持たない一般的な電子機器を指す場合にはそのまま「デバイス」とします。

プロビジョナー

 プロビジョニングにより、単なるデバイスであったものが、Bluetooth meshネットワークのれっきとした一員、つまりノードとなります。プロビジョニングは、通常はメーカーから提供されるアプリケーションを使用して行います。アプリケーションはスマートフォンやタブレット上で実行する場合がほとんどですが、中にはデスクトップやWebアプリケーションなど、他の形式のものもあります。

 プロビジョニングのためのアプリケーションを実行するデバイスは、プロビジョナーと呼ばれます。プロビジョナーは特別な役割を果たすものであるため、その機器の現物が安全に管理されている必要があります。

プロビジョニングプロトコル

 プロビジョニングの際、プロビジョナーとプロビジョニング対象のデバイスは、プロビジョニングプロトコルというBluetooth meshプロトコルを使用して通信を行います。プロビジョナーは、プロビジョニングプロトコルの通信にPB-ADVベアラ*1)またはPB-GATTベアラを使用できます。

*1)mesh のメッセージを送受信するには、そのベースとなる通信手段が必要です。ベアラは、通信手段でmesh のPDU がどのように扱われるかを定義します。現時点では、ADVベアラとGATT ベアラという2つのベアラが定義されています。

 こうしてBluetooth LE(Low Energy)とGATTへの対応だけを要件とすることで、旧世代のスマートフォンでもプロビジョナーのアプリケーションが実行できるようにしています。

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