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» 2018年09月27日 11時00分 公開

中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(23):接点部品(2)―― 接点の規格 (1/2)

スイッチ(SW)に要求される特性のうち、接点に要求される特性について説明します。

[加藤博二(Sifoen),EDN Japan]

 前回はスイッチ(SW)の内部構造の概略とSWに適用される安全規格について説明しました。今回はSWに要求される特性のうち、接点に要求される特性について説明します。

SW選定時に考慮する特性事項

 前回説明した安全規格は必要ならもちろん満たさなければなりません。また、SWは機械的な動作をする部品ですので、表1に示すように機械的な寿命も要求事項に含まれます。

表1:SWに要求される諸項目
項目 項目、その他
電気的特性 定格電圧/定格電流、接触抵抗、絶縁抵抗、耐電圧、チャタリング/バウンス、端子部の温度上昇、端子間静電容量(OFF時)、その他
機械的特性 作動力/復帰力、操作部強度、端子強度、はんだ付性、はんだ耐熱性、耐振性、耐衝撃性、その他
環境特性 高温、低温、温度サイクル、耐湿性(定常状態)、温湿度サイクル、塩水噴霧、防水、防塵、その他
寿命 標準大気中での機械寿命、電気的無負荷寿命
負荷状態での電気的接点寿命

主な接点の規格

 表1の電気的特性とは主として接点寿命に関するものです。SWの用途には、1次側の電源の投入、切断を行う電源SW用、2次側の信号切り替え用やメカトロ用の位置検出用などの微少電流用などがあります。
 この中でも特に使い方によって寿命に差を生じるのが電源SWとしての接点の使い方です。負荷の種類によって過渡的な電流波形が異なり、同じ定格電流でも接点に与えるダメージ(損傷)の程度はそれぞれ異なります。定格表示例を表2に示します。

表2:接点規格と表示例 出典:https://www.alps.com/prod/info/J/PDF/Switch/Power/SAFETY.pdf

突入電流波形

 特にUL規格にはテレビの市場火災事故の反省から突入電流波形を考慮したTV(ティー・ヴィ)定格という接点に関する定格があります。またセットメーカーによっては市場故障を反映して独自の社内規格を設定している場合もあります。

 安全規格や各セットメーカーの社内規格で想定している突入電流とは図1のように、投入時に大きな電流が流れた後に減少していく波形で、ランプの電流波形や電源回路のキャパシターの充電電流波形に顕著に見られます。
 この過大なピーク電流によって接点の溶着や表面の荒れ(平面度劣化)、皮膜酸化、異物付着などの現象を生じ、接点の電気的寿命が短くなります。

 さらにAC電源の場合にはこの波形のピーク値が投入位相によって大幅に異なってきますので投入位相を最悪値に制御できる環境下での評価が必要です。この最悪ピーク電流が定格上限値を越える場合は突入電流防止回路などでピーク電流を抑制しなければなりません。

TV定格の例

投入回数2万5000回 タングステンランプ負荷 開閉電圧 120V
TV-3    51/3   (ピーク電流/定格電流)
TV-4    65/4
TV-5    78/5
TV-8    117/8


図1:突入電流波形の例 出典:omron CSM_PCB_RY_CN_J_1_7
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