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ルネサスとADIが両社の評価ボードを接続する基板を共同開発、「評価環境設定時間を7割短縮」ルネサス/ADI SE SPIDER-01

ルネサス エレクトロニクスとアナログ・デバイセズの日本法人は、両社の評価ボードを接続するインターポーザボード「SE SPIDER-01」を共同開発したと発表した。「評価環境を設定する時間を約7割短縮できる上、ノイズの発生を抑制できるため、安定した評価値を得られる」(両社)としている。

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 ルネサス エレクトロニクスとアナログ・デバイセズ(以下、ADI)の日本法人は2013年7月8日、ルネサスのマイコン評価ボードとADIの評価ボードを接続するインターポーザボード「SE SPIDER-01」を共同開発したと発表した。同日より、インターポーザボードの先行モニターキャンペーンを実施し、ユーザー50人に無償配布する他、「2013年9月以降、国内市場で拡販を行う予定」(ルネサス)としている。

 共同開発したインターポーザボードSE SPIDER-01は、ルネサスのマイコン評価ボードと、ADIのコンバータ製品などの評価ボードとをシームレスに接続し、ルネサスのマイコンを通して、ADIのコンバータ製品などの簡単な評価を実現できるという。SE SPIDER-01が対応するルネサスのマイコン評価ボードは、「Renesas Starter Kit for RL78/G13」「Renesas Starter Kit+ for RX63N」の2種。ADIの評価ボードは「EVAL-AD7982SDZ」「EVAL-AD7980SDZ」「EVAL-AD7693SDZ」「EVAL-AD7685SDZ」の4種。その後も「継続して対応ボードを追加していく計画」(両社)。

 SE SPIDER-01を用いることにより「ユーザーはこれまで別々に行っていたマイコンとアナログ製品の開発/評価を、製品の検討段階からアナログからデジタルまでのシグナルチェーンとして簡単に評価できるようになる」(両社)とする。

 従来、両社に限らず、異なるデバイスメーカー製評価ボードで相互評価を行う場合は、手作業によりジャンパー線で接続を行う必要があった。SE SPIDER-01を使用することで、「評価環境を設定する時間を約7割短縮できる上、ノイズの発生を抑制できるため、安定した評価値を得られる」としている。

 同インターポーザボードには、ルネサスのマイコン評価ボードに実装されている拡張コネクタJA1、JA2と接続可能なコネクタの他、ADIの評価ボードシリーズ「SDP」に対応した評価ボードに接続できるEI3規格コネクタCN11(120ピン)が実装されている。その他、PMODに対応したコネクタ(12ピン)や、SDP以外の評価ボードと接続するためのピンヘッダ、追加部品を実装するための2.54mmピッチのフリースペース、I/O電圧が異なる場合のレベル変換ICを搭載するためのスペースといった拡張機能も備えている。なお、ユーザーの使用形態に合わせられるよう、SDP向けのEI3規格コネクタ以外のコネクタなどは未実装の状態で提供される。


インターポーザボード「SE SPIDER-01」のブロック図。ピンク色の部分がSE SPIDER-01 出典:ルネサスエレクトロニクス/アナログ・デバイセズ

 ルネサスとADI日本法人の2社は2011年6月から、両社の半導体製品を組み合わせたシステムソリューションに関する情報を提供するWebサイト「Solution-Edge」(ソリューションエッジ)を開設するなど、連携を図ってきた。今回のインターポーザボードの共同開発も、その連携の一環として実施。インターポーザボードの取り扱い説明書や回路図、アプリケーションノード、ルネサスのマイコン評価ボード上で動作させるソフトウェアなどについても、Solution-Edge内に設けたWebページで「順次ダウンロードできるよう整備していく」(両社)としている。

 なお、2社では、2013年9月以降にSE SPIDER-01の販売を予定しているが、販売に先駆けてユーザー50人を対象にした先行モニターキャンペーンを実施する。「先行モニターの意見を、9月に予定しているSE SPIDER-01の改版の参考にする予定」とし、先行モニターをSolution-Edge内で募集している。

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