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発振周波数を一定に保ちながら高速過渡応答を実現した1.5A対応DC-DCコンバータトレックス XC9260/XC9261シリーズ

トレックス・セミコンダクターは、発振周波数を一定に保つことができる独自の高速過渡応答技術「HiSAT-COT」を採用した最大出力電流1.5Aの降圧同期整流DC-DCコンバータ「XC9260/同9261シリーズ」を発表した。

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 トレックス・セミコンダクターは2013年8月28日、独自の高速過渡応答技術「HiSAT-COT」を採用した最大出力電流1.5Aの降圧同期整流DC-DCコンバータ「XC9260/同9261シリーズ」を発表した。既に2013年8月から量産を開始し、サンプル価格は200円(税別)となっている。携帯機器や各種民生機器をはじめ、産業機器分野での採用を見込む。



「XC9260/同9261シリーズ」のUSP-6Cパッケージ品

 新製品は、最先端半導体製造プロセスを用いるSoC(System on Chip)やFPGA、DDRメモリなどへの電源供給用とのニーズに対応する製品として開発。1.5Aという大電流出力を1.8×2.0×0.6mmサイズのUSP-6Cパッケージで実現した。大電流出力と同時に、SoCやFPGAなど負荷変動量の多いデバイス向け電源用途で強く要求される高速負荷応答性も従来製品に比べ、大幅に改善させた。

周波数が変動しにくい独自COT制御技術を導入

 新製品では、新たに独自高速過渡応答技術「HiSAT-COT」を導入した。同技術は、高速過渡応答を実現するために広く用いられるCOT(Constant On Time)制御方式をベースにしたもの。一般的なCOTは、オン時間を一定に保つことで出力電圧を安定化させる。しかし、負荷が大きくなった場合に、スイッチング周波数が上がるなど、周波数安定性に欠けるという欠点がある。

 独自開発した「HiSAT-COT」は、COTながらスイッチング周波数が変動しないように、オン時間を微調整する機能を搭載。出力電圧とスイッチング周波数の双方を安定化できるとする。

左は3.6V入力/1.8V出力時の10mA〜1Aの負荷変動での応答性を示すグラフ。10μ秒での高速応答を実現している。 右は、独自COT制御方式による周波数安定性を示すグラフ。負荷250mAを超えた辺りからPWM制御を実施しているが、負荷にかかわらず一定の発振周波数を保っていることが分かる (クリックで拡大) 出典:トレックス・セミコンダクター

5.5V入力/105℃対応、リードパッケージで産業機器用途でも適用可能

 入力電圧範囲は2.7〜5.5Vで、5V系電源、1セルリチウムイオン電池などに対応する。出力電圧範囲は0.8〜3.6Vで、独自のトリミング技術により0.05Vという小さな単位ごとで選択できる。出力電圧精度は±2.0%、消費電流は1.2MHz動作時15μAとなっている。スイッチング周波数は効率重視の1.2MHzの他、1005サイズ(1.0×0.5mm)の外付けセラミックコンデンサが使用可能な3.0MHzの2種から選択できる。

 XC9260はPWM制御品で、XC9261はPWM制御と低負荷時の効率に優れるPFM制御を自動で切り替えて制御するタイプの製品となっている。いずれもソフトスタート時間は0.3m秒に設定されている他、低電圧誤動作防止(UVLO)機能を内蔵し入力電圧が2.0V以下ではドライバートランジスタを強制的にオフできる。

 小型リードレスのUSP-6Cパッケージの他、SOT-89-5パッケージ品もラインアップ。産業機器など幅広い用途に対応するため、−40〜105℃の広い動作温度範囲を実現している。

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周波数 | DC-DCコンバータ | 電源 | PWM | 半導体


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