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モーター技術者の登竜門、高効率・長寿命のブラシレスDCモーターを理解しようめざせ高効率! モーター駆動入門講座(2)(1/4 ページ)

前回はモーターが回転する原理、モーターをどうやって回転させれば高効率化を実現できるかついて基本的知識を紹介した。2回目となる今回は、モーターの進化と種類に始まり、モーターを扱う技術者であれば避けては通れない“高効率・長寿命を実現できるブラシレスDCモーターの高効率駆動”に論点を当てる。

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連載「めざせ高効率! モーター駆動入門講座」の第1回はこちらから

モーターの進化を支えた3つのポイント

 まず、モーターの高効率化、発展、普及を促した3つの重要な技術マイルストーンがあることを覚えてほしい。


【1】フェライトを用いた永久磁石モーター(1960年〜)

 実用に耐えうる永久磁石が普及するまでは、巻き線を使って磁石を構成していた。磁界の発生に電力を必要としないフェライトや、レアアース(希土類)磁石を使ったモーターの登場で、より小型、高出力、高効率を実現した。

【2】半導体素子を利用したブラシレスDCモーター(1970年〜)

DCモーターの長所である起動性、制御性に加え、半導体素子を利用することでDCモーターの短所をなくし、低ノイズ、長寿命、高回転を実現した。

【3】ベクトル制御へと進化するインバーター(1980年〜)

ACモーターは、起動性に工夫が必要であり、回転速度を容易に変えられなかった。インバーターの登場により、起動を含めた回転速度制御幅が広くなったため、必要に応じた出力(トルク、速度、位置)調整が可能となり、セットの高効率動作に寄与した。

 今回はこの中で、小型モーター(70W以下、24V/3A程度)に最適で、高効率、長寿命が特長であるブラシレスDCモーター(BLDC)に着目し、高効率の駆動原理を解説する。

 【2】にあるように、ブラシレスDCモーターは、ブラシ付きDCモーター(DCM)のブラシの接触・摩耗に起因するノイズ発生や寿命の短さの欠点を、半導体素子を使用することで改良したモーターだ。高速回転や長寿命が求められるビデオテープレコーダーを中心に使用され、普及してきた。

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