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Bluetooth 4.2 セキュリティ対策の仕組み今こそ知っておきたい「LEプライバシー」(1/3 ページ)

さまざまなモノがインターネットにつながる中、自分の行動が簡単に追跡されてしまうという、プライバシーに対する懸念も高まっている。Bluetooth 4.2では、セキュリティとプライバシー保護の機能が強化された。今回は、「LEプライバシー」と呼ばれる仕組みを紹介しよう。

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 インターネットに接続される機器が増えていく中、現実世界とデジタル世界の両方においてセキュリティ、特にプライバシー保護に対する懸念が高まっています。

 「プライバシー」という用語は、文脈に応じてさまざまな種類の問題を提起しますが、とりわけ懸念される問題の1つとして、本人の認識や同意なしに「行った場所」が追跡されることが挙げられます。「行った場所」には運転した場所や歩いた経路なども含まれます。

 Bluetooth Smartテクノロジーは、物理的な移動経路に関するプライバシー問題を保護する機能を備えています。この機能は、本機能はBluetooth 4.0のコア仕様が発表されて以来、Bluetooth Smartブランドの導入により使用可能となっています。さらに、Bluetooth 4.2において、いくつか改良が加わりました。

“追跡されない”ためのセキュリティ対策が必要に

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画像はイメージです

 Bluetooth Smartにおけるプライバシー保護機能を紹介する前に、「追跡」の危険性について、いま一度考えてみましょう。まずは、今日起こり得る無線接続やプライバシーに関して懸念される問題の実例を見てみます。

 例えばある人が、店を訪れる、友人と一緒に昼食をとる、帰宅前に病院で診察を受けるなど、住んでいる町や都市のさまざまな場所で1日を過ごすと想定します。その人のポケットには、1日の行動をナビゲートしてくれるスマートフォンが入っています。Webへ高速にアクセスすべく、公衆無線LANサービス(ホットスポット)を使用した場合、無線ネットワークに接続するため、スマートフォンが自身のMACアドレスをブロードキャストします。そのMACアドレスは、使用しているスマートフォン、あるいは利用者自身を表すものであり、移動時には必ず付いて回ります。

 悪質なデバイスは、こっそりとそれらのメッセージを受信し、何かしらのリモートWebサーバに日付、時刻、場所、MACアドレスを記録します。このMACアドレスを個人の識別情報と結び付けるだけで追跡が可能になってしまうのです。

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