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キャッシュとは? ―― 機能と仕組みから使用上の注意までQ&Aで学ぶマイコン講座(32)(1/3 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「キャッシュとは?」です。

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 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、中級者から多く寄せられる質問です。

 マイコンのカタログや説明書を読むと「キャッシュ内蔵」と書かれていますが、そもそも「キャッシュ」とは何ですか? どんな機能で、どんな仕組みになっていますか? また、使う際の注意点があれば教えてください。

 マイコンの内蔵メモリはフラッシュメモリやRAMなどで、高速メモリアクセスが可能です。しかし、マイコン内蔵メモリの容量には限界があります。大容量のメモリを使用したい場合は、外部メモリを使用しなければなりません、しかし、外部メモリはアクセス速度が遅くなります。せっかくマイコンが高速で動作しても、メモリアクセスが遅ければ、全体的な動作速度が落ちてしまいます。そのため、低速ではあるが大容量の主メモリに「高速ではあるが小容量のメモリ」のキャッシュメモリ(以下キャッシュ)を組み合わせて、見かけ上、「主メモリに高速アクセスする手法」が考え出されました。

 具体的には、アクセスされた主メモリの内容のコピーをキャッシュに残しておき、次に同じアドレスがアクセスされたときは、キャッシュにアクセスすることで、メモリアクセスを高速にする方法です(図1参照)。キャッシュは外部メモリだけではなく、マイコンの内蔵メモリが低速な場合にも適用できます。


図1:キャッシュのイメージ (クリックで拡大)

 ただし、ユーザーから見ると2つのメモリが1つにしか見えませんので、2つのメモリの内容の一貫性を保たないと主メモリの内容を失ってしまいますので注意が必要です。

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