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ヒューズ(4) ―― ヒューズの使用上の注意点中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(10)(2/3 ページ)

“電子部品をより正しく使いこなす”を目標に、ヒューズを取り上げてきましたが、ヒューズ編も今回で最終回になります。最終回はまとめとして「ヒューズを使う上での注意事項」を紹介します。

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ヒューズの定格表示

 故障した電子機器はヒューズ交換だけで復帰するものではありませんが、安全規格試験所や製造者のサービスセンターなどで認定技術者が修理する時の参考としてヒューズの定格表示がヒューズ近傍に求められます。

 例えばIEC60950系安全規格では"定格電流、定格電圧、溶断特性"の表示が求められており、同様に、
IEC60065系の安全規格ではIEC認定ヒューズについて次の表示が求められています。

【1】相対的溶断時間/電流特性を示す記号
  F:速断型を示します。
  T:タイムラグ型を示します。

【2】電流定格1A未満の電流定格の場合には、ミリアンペア(mA)で、1Aまたは、それ以上の定格に対してはアンペア(A)で示します。

【3】遮断容量を示す記号
  L:低遮断容量を示します。
  E:中遮断容量を示します。
  H:高遮断容量を示します。

  表示の例:T 315 L または T 315mA L F 1.25 H または F 1.25A H など

 これらの定格表示と同時に、交換時に誤った定格のヒューズが取り付けられないように、"同定格、同特性のヒューズと交換してください"の意味の英文での警告文も必要になります。

ヒューズ交換警告文の例

[例1]
WARNING
FOR CONTINUED PROTECTION AGAINST FIRE HAZARD,REPLACE ONLY WITH SAME TYPE AND RATING FUSE

[例2]
For Continued Protection Against Risk Of Fire, Replace Only With Same Type And Rating Of Fuse.

(複数の定格のヒューズを使用する場合はTypes,Ratings,Fusesなどの複数形で表記します)

 また上記の英文はあくまでも例です。英文表記について自信がなければ安全規格試験所に問い合わせれば良いでしょう。

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