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アナログ回路設計:

オペアンプのダイナミック応答の検討(1) タイプ2補償回路の使用時 (1/6)

補償回路は、理想的な特性を想定したオペアンプを中心に構築したアクティブ回路が使用されます。ですが、理想的なオペアンプを想定した計算は成立せず、最終的にゲインと位相の深刻な歪みを招く結果になります。開ループゲインと、低周波および高周波にある2つの極が全体的な応答の形状をどのように規定するかが明らかになると、適切なオペアンプを選択できます。

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 補償回路は、ダイナミック動作時に制御システムの高速化と安定化を達成するためにチューニングされた電子フィルターです。大半の研究では、理想的な特性を想定したオペアンプ(OPアンプ)を中心に構築したアクティブ回路を補償回路として使用しています。

 狭帯域幅のシステムでこのアプローチが成立する場合、100kHzまたはそれ以上に対応する最新のコンバーターを採用すると、最小の出力コンデンサーバンクを使用して高速過渡応答を保証できます。このようなアプリケーションでは、理想的なオペアンプを想定した計算は成立せず、最終的にゲインと位相の深刻な歪みを招く結果になります。開ループゲインと、低周波および高周波にある2つの極が全体的な応答の形状をどのように規定するかが明らかになると、適切なオペアンプを選択でき、クロスオーバー時に必要なゲインおよび、位相特性への影響を回避できます。

 この第1部では、開ループゲインの影響に注目し、低周波と高周波の極は意図的に無視します。第2部では、これらの付加的な極の影響を検討し、適切に選択しない場合にこれらの極が最終的な結果をどのように劣化させるかを示します。

さまざまな種類の補償回路

 補償回路の役割は、ループが閉じた時に制御システムが望ましいクロスオーバー周波数fcと適切な位相マージン/ゲインマージンを示すように、回路(例えば、降圧コンバーター)の周波数応答を整形することです。補償回路は、fcの地点で何らかの中域 ゲインまたは減衰を実現する方法で、強制的に0dBのクロスオーバ・ポイントを実現します。位相マージンmは、同じくfcで補償回路が示す位相ブーストの量を通じて調整されます。最後に、ゲインマージンはクロスオーバーより後にゲインをロールオフする補償回路の能力に依存します。

 補償回路にはいくつかのタイプがあり、スイッチングコンバーターで使用されるタイプは一般的に、タイプ1、タイプ2、タイプ3という名前で呼ばれています。これら3つのバージョンすべてに共通する特長は、原点で1つの極を持ち、利用可能な中で最大の擬似静的ゲイン(s=0)を実現して、高精度の出力変数に貢献することです。タイプ1の補償回路は簡単な積分器であり、位相ブーストを全く実現しません。タイプ2はタイプ1を土台として極/ゼロのペアを1つ追加し、最大90度の位相ブーストを実現します。最後に、タイプ3の回路は2つのゼロと2つの極を特長としており、最大180度の位相ブーストを実現できます。図1に、3つの補償回路の周波数応答(振幅と位相)および、それぞれに対応する伝達関数の式を示します。これらの回路の詳細は参考資料[1]に記載されています。


図1:必要な位相ブースト量に応じて補償回路を選択する (クリックで拡大)

 タイプ2の補償回路は、電流モードの電源で一般的に採用される実装であり、90度という最大位相ブーストは十分な補償能力を提供します。オペアンプを中心とする実装を図2に示します。監視対象変数(Vout、つまりこの例の出力電圧)をセンスする抵抗分割回路と、いくつかの受動部品がフィルターを形成していることが分かります。このコンバーターの伝達関数を決定するために、最初にオペアンプの開ループゲインAOLを考慮し、このゲインが最終的な式に及ぼす影響を確認します。この回路の伝達関数Gは、出力応答VFBと励起信号Voutの数学的な関係を表します。


図2:この補償回路では、有限な開ループを持つオペアンプを考慮するが、内部の複数の極についてはまだ考慮していない (クリックで拡大)
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