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RF-ICフィルタの回路/レイアウト設計を自動合成する(2/2 ページ)

» 2006年04月01日 00時00分 公開
[Chaghua Wan, Jian-x Zheng(米ZELAND SOFTWARE社),EDN]
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具体的な設計例

 ハイパスフィルタは、RFおよびマイクロ波の周波数帯域に分散した場合に実現が難しい。表1の仕様を満たすハイパスフィルタの回路、レイアウトの自動合成は、図6のようにハイパスフィルタの素子値を集中定数素子の形式で行う。


表1 RFハイパスフィルタの仕様例 表1 RFハイパスフィルタの仕様例
図6 表1の仕様を満たすハイパスフィルタの回路およびレイアウト自動合成では、ハイパスフィルタの素子値が集中定数素子の形で生成される。 図6 表1の仕様を満たすハイパスフィルタの回路およびレイアウト自動合成では、ハイパスフィルタの素子値が集中定数素子の形で生成される。 

 集中定数素子の形式で行ったEMによるハイパスフィルタのレイアウトの自動合成により、MIMコンデンサの重複部分の長さが165μm、スパイラル・インダクタの巻き数がそれぞれ4.875回および3.875回であることがわかる。所定の隣接素子間の距離と給電線路の長さを考慮し、すべての素子を自動的に組み立てる。必要な拡張や接続、パッドを加えて、フィルタのレイアウトが完成する(図7)。

 特定の用途、またはチップ面積、あるいはその両方を満たすために、最終的に手作業での微調整が必要な場合もあるが、それでもこの手法によるメリットは大きいといえる。図7に対する調整としては、単に配線を延長する代わりに、グラウンドを信号線に近づけることが挙げられる。

 商用のEMシミュレータ「IE3D」でフィルタをシミュレーションする(図8)。ハイパス応答と、カットオフ周波数のずれを表示し、設計手法の有効性とツールの高い能力を示す。このずれは、相互接続に起因していると思われる。なぜなら、合成では相互接続の距離をゼロとみなしているからである。

図7 指定された隣接素子間の距離と給電線路の長さから、レイアウト合成は自動的にすべての素子を組み立てる。必要な拡張や、接続、パッドを加えて、フィルタのレイアウトを完成する。 図7 指定された隣接素子間の距離と給電線路の長さから、レイアウト合成は自動的にすべての素子を組み立てる。必要な拡張や、接続、パッドを加えて、フィルタのレイアウトを完成する。 
図8 商用のEMシミュレータ「IE3D」でフィルタをシミュレーションする。 図8 商用のEMシミュレータ「IE3D」でフィルタをシミュレーションする。 
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