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» 2007年10月01日 00時00分 公開

電力線通信とRF通信の実用性を探る:ホームオートメーションを支えるネットワーク技術 (4/5)

[Richard A Quinnell,EDN]

電池の寿命を延ばす

 電池の寿命はRFホームネットワークにとっては大きな問題である。RFベースのホームネットワークには、数百個ものノードが存在する可能性があり、そのうちの多くが電池で動作する。システムの動作を維持するために、数カ月ごとに消費者に何十個も電池を交換させるわけにはいかない。

 電池の寿命を延長するための手法はいくつかある。例えば、Z-Waveでは電力を節約するためにノードをほとんど停止状態にすることができる。ボタンを押したときなど、応答を必要とするイベントが生じた場合や、ネットワークからの要求が来ていないかどうか定期的に確認する場合のみ起動し、それ以外の時間は電力消費の少ない状態を保つ。ZigBeeのノードも類似の機能を持つ。これらのベースとなるIEEE 802.15.4規格は、低デューティサイクルで動作し、送受信時のみ電力を消費する。いずれの場合も、リンクを維持するために中継するノードは連続的に稼働しなければならないが、これらのノードは通常、電池を使用していない。

 電池の寿命を延長するための別の手法として、アクティブな電力管理を行うホームネットワークのノードを実装したマイクロコントローラやLSIを設計する方法がある。さまざまなタイミングで必要な機能ブロックをアクティブな状態にして、消費電力を最小限に抑えるマイクロコントローラチップが、TI社のマイクロコントローラ部門などで開発されている。例えばTI社のマイクロコントローラ「MSP430FG461xファミリ」は、コアプロセッサの介入がなくても処理を実行できる複数の機能ブロックに分割されている(図3)。これにより、消費電力が抑えられ、ノードは電池の交換なしで数年間動作することができるという。

図3 MSP430FG461xファミリのブロック図 図3 MSP430FG461xファミリのブロック図 マイクロコントローラの周辺機能を、コアプロセッサの介入なく実行可能とすることにより、消費電力を削減し、HAのノードの電池寿命を延長することができる(提供:TexasInstruments社)。

相互運用性

 上述したように技術が進歩したことで、さまざまなホームネットワーク手法が登場し、インテリジェントな住宅という夢が現実のものとなる水準に近づいてきた。しかし、まだ2つの障壁が残っている。1つは相互運用性である。多くの企業は独自の技術に基づいた通信方式を採用しているため、消費者が選択可能なサプライヤの数は限られている。もう1つは、需要拡大をけん引する有力な用途が存在しないという問題である。

 相互運用性の問題に対して、HAネットワークのベンダーらは標準規格や業界団体によってそれを解決しようとしている。Echelon社のLonWorks技術は、数多くのサプライヤが支援し、機器間の相互運用性を認定するDigital Homeアライアンスのサポートを受けている。Z-Waveアライアンスは米Zensys社のZ-Wave技術に対し、同様の役割を果たす。HomePlug PowerlineアライアンスはIntellon社のHomePlug技術をサポートする。その他の業界団体としては、UPnP(universal plug and play)フォーラムやZigBeeアライアンスなどがあり、いずれも相互運用性を保証し、それぞれの規格を改良することに尽力している。

 より高次のレベルでは、国際機関による、ホームネットワークのすべての側面を包含する全世界対応の規格を制定しようという動きがある。ISO/IEC JTC(International Standards Organization/International Electrotechnical Committee Joint Technical Committee:国際標準化機構/国際電気標準会議合同技術委員会)は、家庭の電気電子機器すべてに対応する単一のネットワークを構築するための規格を定義する目的でJTC1/SC25/WG(ワーキンググループ)1を発足した。提案されている規格は、暖房機器や空調機器から家電製品、ホームエンターテインメント機器までにわたるもので、これらの機器は家庭用パソコンやインターネットにも接続される。全体として見ればまだ定義中の段階だが、すでに発表された規格もいくつか存在する。

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