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圧電ブザーによる発振回路で白色LEDを駆動Design Ideas

» 2008年05月01日 00時00分 公開
[TA Babu,EDN]

 単一セルの電池を電源として使用するLEDドライバが注目されている。こうした低電圧の電源から白色LEDの駆動/発光に必要な高電圧を生成しようとすると、何らかの形の発振回路が必要になる。そうした発振回路の最も単純な実現手段として、圧電ブザーを利用する方法がある。圧電素子(ピエゾ素子)の使い方としては特異なものとなるが、図1のように圧電素子を発振素子として使用することにより、白色LEDの駆動回路を構成できる。

 ブザー用の圧電振動板の構成は次のようなものになる。すなわち、両面に電極を備える圧電セラミック結晶板が、真ちゅうやステンレスなどの金属板に導電性の接着剤で固定される形だ。図1の回路では、3端子型圧電振動板を使用し、振動板の電極の1つをフィードバック端子として用いている。このようにすることにより、圧電素子の持つ容量とインダクタンスとの間の共振によって発振が得られる。その発振周波数はfOSC=1/(2π√LC)で表される。ここで、LはコイルL1のインダクタンス、Cは圧電素子の容量である。

図1 圧電ブザーを利用した白色LEDの駆動回路 図1 圧電ブザーを利用した白色LEDの駆動回路 ブザー用の圧電セラミック振動子を発振素子として使用し、フライバック電源を構成する。その昇圧動作により、単一セルの電池で白色LEDを駆動することが可能になる。

 図1の回路に電源を投入すると、まずトランジスタQ1がオンになる。それに伴ってコイルL1を流れる電流が徐々に増大するとともに、圧電振動板に印加される電圧によって圧電セラミック結晶板にたわみが生じる。このたわみにより、フィードバック端子に負の電位が誘起され、その電位がQ1のベースに帰還する。その結果、トランジスタがオフになり、コイルに蓄えられたエネルギが白色LEDに流れ込む。このようなフライバック電圧によりLEDを発光させることができる。

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