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マイクロソフト、2009年内に車載用プラットフォームを統合

» 2009年01月01日 00時00分 公開
[EDN]

写真1 マイクロソフトディベロップメントの平野元幹氏 写真1 マイクロソフトディベロップメントの平野元幹氏 

 マイクロソフトは2008年11月、新宿本社にて技術セミナー『Microsoft Car Navigation Day 2008』を開催、同社の車載用組み込み向けOSの事業戦略および今後の製品ロードマップについて発表した。

 セミナーの冒頭では、マイクロソフト ディベロップメントでITS戦略統括部統括部長を務める平野元幹氏(写真1)が講演を行い、2009年内にも「Micro soft Auto」と「Windows Automotive」の2つを統合した新たなプラットフォームをリリースする計画があることを明らかにした。

 Microsoft AutoとWindows Auto-mo-tiveはいずれも、同社の組み込みOS「Windows Embedded CE」をベースとした車載用組み込み向けプラットフォームであり、カーナビゲーションシステムや各種車載機器をターゲットとしている。 Microsoft Autoは、ミドルウエアとハードウエアをリファレンス実装としてまとめたインフォテインメントソリューションで、欧米の自動車メーカー向けに開発された。主な機能として、メディア接続/ハンズフリー電話/音声認識などを提供する。 一方、Windows Automotiveは、開発ツールやサンプルコードなどの充実を図ったソフトウエアプラットフォームで、日本国内のカーナビメーカー向けなどに開発された。主な機能として、AUITK(Automo-tive User Interface Toolkit)/AST(Auto-motive System Tools)などを備えている。

開発コード名は「Motegi」

図1 車載用プラットフォームの開発ロードマップ 図1 車載用プラットフォームの開発ロードマップ 

 平野氏は、両プラットフォームの統合について、「以前から、国内ユーザーなどからMicrosoft AutoとWindows Automotiveの両方の機能を備えた製品の要望があった。そうしたニーズに応えるために、現在、『Motegi』という開発コード名で2つのプラットフォームの機能を統合する開発プロジェクトを進めている。2009年中にも新プラットフォームを正式発表する予定である」と説明した。新たな統合プラットフォームは、「現行のMicrosoft Auto 3.1の次世代版(2009年春に発表予定で、製品名は『Microsoft Auto 4.0』になる見込み)と、Windows Automo-tive 5.5の機能を足し合わせたものになる予定」(平野氏)としている(図1)。

 具体的には、Microsoft Autoのメディア接続/ハンズフリー電話/CD再生/ラジオ受信/車載ネットワーク(CAN:Controller Area Network)などの機能と、Windows AutomotiveのHMIツールキット/ASTツール、起動速度やエラーリカバリ性を高める「Ready Guard」機能などが融合され、ベースとなるOSには「Windows CE 7.0」が採用されるという。

 平野氏によると、「Windows CE 7.0は、SMP(Symmetric Multi-Processing)機能によりマルチコアCPUへの対応を図るほか、ブラウザ機能もバージョンアップしたものになる予定」とした。 なお、両プラットフォームを統合した後も当面は、Microsoft AutoとWin-dows Automotiveの個別販売は継続するとしている。

(EDN Japan、鉄井 亮一)

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