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ホットスワップ

» 2012年03月05日 00時00分 公開
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ホットスワップ

 ホットスワップ(hot swap)とは、通信機器やネットワーク装置、コンピュータ機器などを稼働させながら、ボードやケーブルなどの接続が可能なこと。日本語では活線挿抜(かっせんそうばつ)と呼ぶ。高い可用性(システムの壊れにくさや、障害発生のしにくさ)が求められる電子機器では、必須の技術要件である。

 現在では、パソコンでも当たり前の技術要件となっている。かつては、ボードやケーブルなどを接続すると、その後にリブート(再起動)を実行する必要があった。しかし、現在では、PCI対応ボードやカードなどのボード類、USBやIEEE 1394などのインターフェイス(ケーブル)がホットプラグに対応している。ボードやケーブルを接続するときに、いちいち電源を落とす必要はない。

ラッシュ電流が故障を招く

 システムを稼働させながら、ボードやケーブルなどを接続する。実は、これを実現するには、何らかの電気的な工夫が必要になる。工夫を施さなければ、通信機器やネットワーク装置、コンピュータ機器においてシステム・ダウンが発生し、可用性が低下してしまう。

 システム・ダウンが発生する理由は、前述のような電子機器のバックプレーン基板にボードを差し込むとラッシュ電流が発生し、電源電圧が低下してしまう点にある。ボードを差し込んだ際に、その電源回路に取り付けられている入力平滑コンデンサの充電のために、バックプレーン基板経由で電流が一気に流れ込むからだ。

 従って、ホットスワップを実現するためには、ラッシュ電流の発生を防止する必要がある。一般的には、ホットスワップ制御ICを採用することで、ラッシュ電流の発生を防ぐ。このICは、外付け、もしくは内蔵のパワー素子(パワーMOSFETなど)を制御する回路を収めたものだ。バックプレーン基板にボードを挿したときに、電源回路に流れる電流をモニターしながら、パワー素子のオン/オフを制御する。つまり、電流を少しずつ流して電源回路の入力平滑コンデンサを充電することで、ラッシュ電流の発生を防ぐ。

電力リミット機能を備えた製品もある

 現在、ホットスワップ制御ICは、さまざまな半導体メーカーから製品化されている。例えば、日本テキサス・インスツルメンツでは、「LM5067/ LM5069」や「LM25061/ LM25069」といった製品を市場に投入している。

 これらの製品の特長は、電流リミット機能のほかに、電力リミット機能を備えている点にある。適用する電源ラインの電圧が低ければ問題が発生する可能性は低いが、電圧が高い場合はトラブルが発生する可能性が高まる。パワー素子には安全動作領域(SOA:Safety Operation Area)という特性があるからだ。SOAは、電圧と電流の積で決まる。つまり、電圧が高い上に、大きな電流が流れるとSOAを超えてしまい、最悪の場合、パワー素子が壊れてしまう。また電流リミットしか持たないホットスワップ制御ICを使用する場合には、SOAを超えない様にする為、電流許容値の非常に大きな、つまりオーバースペックとなるFETを採用しているはずなので、電力リミットも備える製品を採用する事で、FETのランクダウンが可能で当然ながらサイズとコストの低減が可能となる。 


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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