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» 2011年02月01日 00時00分 公開

抵抗の基本、選択のポイント抵抗/コンデンサ/コイルの基本を学ぶ(2)(2/3 ページ)

[河合一,EDN Japan]

抵抗の種類

 図5に、コーア(KOA)のウェブサイトに掲示されている抵抗の分類を示した。この分類では、まず実装方式によって大きく面実装(チップ)型とリード型に分けている。次に、形状から角形と円筒形(丸形)に分類している。続いて、抵抗としての特性を決定づける主な要因である抵抗体を、大きく金属系と炭素系に分けている。さらに抵抗体の形状として、皮膜、薄膜、箔、板、線などに分類している。最も多く見かけるリード型の小型抵抗器(1/4W=250mWクラスのものなど)では、金属皮膜抵抗とカーボン抵抗の両者が主流となっている。また、携帯電話機や「iPod」などに代表される小型/携帯型のアプリケーションではチップ抵抗が用いられている。

図5 抵抗の分類例(提供:KOA) 図5 抵抗の分類例(提供:KOA)

 抵抗の基本特性はほぼ抵抗体の材質で決まる。抵抗の種類の呼称としては多くのものが存在するが、抵抗体の材質で大別すると、炭素皮膜抵抗、金属皮膜/箔抵抗、巻線抵抗の3種となる。以下、それぞれについて説明を加える。

  • 炭素皮膜抵抗

 抵抗体には炭素皮膜を用い、樹脂で封止したタイプのものである。定格電力が1/8W〜1/2Wクラスのものが最も多く用いられている。抵抗値の精度は、ほとんどの製品が5〜10%程度にとどまる。その理由は、炭素皮膜抵抗は一般的に−200ppm/℃〜−800ppm/℃程度の負の温度係数を持っていることにある。例えば、500ppm/℃の温度係数で100℃の温度変化があれば50000ppm、すなわち5%の誤差となる。そのため、抵抗値の初期値を高精度にすることにはあまり意味がないと言える。このような理由から、炭素皮膜抵抗の用途は、高い精度を必要としない小電力回路がほとんどとなる。

  • 金属皮膜/箔抵抗

 金属皮膜/箔抵抗は抵抗体に金属合金を用い、それを樹脂で封止したものである。抵抗値の精度は0.05〜5%と範囲が広く、E96系列の1%精度品が最も多く用いられている。温度係数は、高精度品では±5ppm/℃、汎用品でも±100ppm/℃未満であり、優れた特性を有する。従って、比較的高い精度が要求される小電力のアナログ回路での用途がほとんどとなる。図6に、KOAの金属皮膜抵抗「MFPシリーズ」の特性/仕様例(抜粋)を示しておく。

図6 金属皮膜抵抗の仕様例(提供:KOA) 図6 金属皮膜抵抗の仕様例(提供:KOA)
  • 巻線抵抗

 抵抗体として銅ニッケル線やニクロム線を用い、各線材の有する固有抵抗から線径と巻き数によって所定の抵抗値を得るタイプのものである。比較的小さい抵抗値のものが、数Wから数100Wといった中/大電力用途に用いられる。巻線を用いる構造であることから、コイルの効果(インダクタンス)が生じるので、高周波の用途には適していないが、巻き方を無誘導巻としているタイプのものもある。また、ケースには、絶縁型の不燃性塗料を用いるものが多い。これは、電力用途なので難燃性(発煙や発火が起こらない)であることが求められるからだ。角型のセメント材を用いたものはセメント抵抗、金属ケースを用いたものはメタルクラッド抵抗と呼ばれている。

 巻線抵抗の場合、0.01Ω〜1kΩ程度の低抵抗品が多い。抵抗値の精度は、一部の高精度品を除いて5〜10%程度である。定格電圧と定格電力は大きく、1kV、2kVといった高電圧、100W、200Wといった大電力にも対応している。このような大電力を消費すると、当然発熱量も大きくなるが、最高使用温度は200℃まで対応しているものもある。

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