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東芝は2012年中に定置型2次電池システムを市場投入――『スマートグリッド展2011』から(その2)

» 2011年06月23日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 東芝は、『スマートグリッド展2011/次世代自動車産業展2011』(2011年6月15日〜17日)において、2012年末までの市場投入を予定している定置型2次電池システムを2種類展示した。

 展示したのは、電池容量が25kWh〜2000kWhの「コミュニティ需給調整用蓄電池」と、電池容量が10kWh〜1000kWhの「スマートバッテリ」である。コミュニティ需給調整用蓄電池は電力会社向けで、スマートバッテリは企業やオフィスビル、住宅などの需要家向けとなっている。

 まず、コミュニティ需給調整用蓄電池は、2次電池セルとして、東芝のリチウム(Li)イオン電池「SCiB」を用いている。SCiBは、一般的なLiイオン電池と比べて、高い充放電速度や長いサイクル寿命を備えるとともに、低温域でも高い入出力特性を維持できることを特徴とする。コミュニティ需給調整用蓄電池についても、これらのSCiBの特徴が反映されているので、高い安全性と信頼性、長寿命、急速充電/大出力特性を実現できるという。


写真1 「スマートバッテリ」のシステム構成 写真1 「スマートバッテリ」のシステム構成 

 一方、スマートバッテリでは、鉛電池、ニッケル水素電池、Liイオン電池など異なる種類の2次電池を用いることが想定されている。さらに、新品の2次電池だけでなく、一定回数の充放電サイクルを終えた2次電池を再利用するリユース品にも対応する予定である(写真1)。東芝は、「スマートバッテリで利用する2次電池はすべて性能/特性が異なる。このため、各電池セルのSOC(充電状態)を管理する制御システムには、どのような性能/特性を持った2次電池にも対応できるような機能を搭載する必要がある。また、リユース品に対応しているので、定置型2次電池システムの導入コストの低減に貢献できるだろう」としている。

(朴 尚洙)

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