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リニアがフォワードコンバータ用チップセットを発表、電源トランスの飽和を防ぐ新機能を搭載

» 2011年08月10日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 リニアテクノロジーは2011年8月、同期整流式フォワードコンバータ向けコントローラICのチップセット「LTC3765/LTC3766」を発表した。電源トランスの飽和を防ぐ独自開発の新機能「Direct Flux Limit」を搭載することを特徴とする。公称入力電圧が、12V、24V、48Vのフォワードコンバータを用いる充電器、通信機器、サーバー、車載機器、産業用機器などの用途に向ける。パッケージは、LTC3765が16端子MSOPで、LTC3766は28端子のQFN(外形寸法4mm×5mm)とSSOP。1,000個購入時の参考価格(税込み)は、LTC3765が155円で、LTC3766が260円となっている。

 同チップセットは、LTC3765を電源トランスの1次側に、LTC3766を2次側に用いる。LTC3765は、LTC3766から小型のパルストランスを介してタイミング信号とバイアス電力を受け取ることで連携して動作する。また、LTC3766で2次側を制御する際には、LTC3766を含めた制御回路を負荷の近くに設置することにより、出力電圧と出力電流の制御を確実に行えるようになる。過渡応答時間も短縮できるので、フォトカプラなどの絶縁素子も不要になるという。

 最大の特徴であるDirect Flux Limitは、アクティブクランプ回路を用いたリセット動作を行う際に、電源トランスの磁束のモニタリングと励磁電流の制限を直接行えるようにする機能のことである。この機能によって、出力負荷や入力電圧が大きく変化するときに電源トランスが飽和してしまうという問題が発生しなくなるという。

 LTC3765/LTC3766の主な仕様は以下のとおり。動作周波数は75kHz〜500kHz。それぞれ、動作温度範囲が−40〜125℃の2品種、−40〜150℃の1品種、−50〜155℃の1品種の計4品種をそろえている。

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