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専門知識不要の熱流体解析ツール、最新バージョンは電子機器向けの製品に

» 2011年10月12日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 アドバンスドナレッジ研究所は2011年10月、同社の熱流体解析ツール「FlowDesigner」の最新バージョン「FlowDesigner9」を発表した。同年11月から販売を開始する。対応OSはWindows XP/VISTA/7。価格は97万5000円から。

 FlowDesignerは、専門知識が無くても容易に使いこなせることを特徴に採用を拡大してきた熱流体解析ツールである。現行バージョンである「FlowDesigner8」までは、建築物の設計技術者向けに展開していた。

 今回発表したFlowDesigner9は、電子機器の設計技術者向けに最適化されており、筐(きょう)体内の空気の流れや、プリント基板、IC、電子部品などの温度を可視化する機能を備えている。また、専門知識が無くても、排気ファンやヒートシンク、IC/電子部品、プリント基板、筺体の開口部、ヒートパイプなどの熱解析モデルを簡単に作成できる「簡易モデル化エンジン」を搭載した。同エンジンで作成した熱解析モデルをドラッグ&ドロップ方式で配置することにより、機器内部や実装されたIC/電子部品の温度の予測、気流の影響などについてシミュレーションを行うことが可能になる。100万メッシュ相当の規模の解析を15分程度で完了できる独自開発のソルバーにより、解析を高速に行えることも特徴となっている。

 また、最上位のエンタープライズ版には、大阪大学との共同研究により実用化した「ノンパラメトリック逆解析機能」が追加されている。同機能は、初期の設計データから得られた解析結果と、設計者が新たに設定した設計に関する目標値の差分情報を基にして、設計を最適化することができるという。通常、設計の最適化を行うには、各種パラメータを変更して得られる複数の解析結果を統計的に処理する必要がある。これに対して、ノンパラメトリック逆解析では、1回の解析により全ての設計要因の感度を求めることができるので、設計の最適化に要する時間の大幅な短縮が可能になる。

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