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CI値が60Ωと小さいATカット型水晶振動子、フォトリソ加工で実現

» 2011年12月19日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 京セラキンセキは2011年12月、発振時の損失の大きさを表す指標であるクリスタルインピーダンス(CI)値が60Ωと小さいATカット型水晶振動子「CX1612SB」を発売した。ATカット型水晶振動子は、ICの基準信号を生成する部品として、民生用機器から産業用機器にわたるさまざまな電子機器に広く使われている。今回発表したCX1612SBは、特に水晶振動子に対する要求が厳しい無線通信端末に向ける。2012年3月にサンプル出荷を開始し、2012年夏以降に50万個/月のの規模で量産を始める予定。サンプル価格は500円である。

 CI値は、発振時の水晶振動子を等価回路で表現したときの直列抵抗成分に相当し、この値が低いほど損失が小さい。同社は、今回初めてフォトリソグラフィ技術を採用し、水晶片を独自のメサ形状に加工することで、機械研磨加工品では80ΩだったCI値を60Ωに下げた。これまでは、機械研磨によって水晶片を加工していたが、加工精度に限界があり特性にばらつきが発生してしまうことや、設計試作に2〜3カ月掛かることが課題だったという。

 外形寸法は1.6×1.2×0.3mm。周波数許容偏差は±15ppm(25±3℃において)、−10〜70℃の範囲における周波数温度特性は±15ppmである。

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