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産業用機器への電子ペーパー搭載が容易に、エプソンが専用プラットフォームを発表エプソン S1D13T03

電子ペーパー表示制御用ICとファームウェアから構成されるセイコーエプソンの「産業用電子ペーパー表示プラットフォーム・シリーズ」は、電子ペーパーを搭載する産業用機器の開発期間を短縮できる。

» 2012年01月17日 17時51分 公開
[EDN Japan]

 セイコーエプソンは2012年1月、電子ペーパーを搭載する産業用機器の開発期間を短縮できる「産業用電子ペーパー表示プラットフォーム・シリーズ」を発表した。主に、電子値札/棚札、デジタルサイネージ/看板/POPなどの用途に向ける。同プラットフォームは、電子ペーパーの表示制御機能を持つマイコンや電子ペーパータイミングコントローラICといった電子ペーパー表示制御用ICと、各IC専用のファームウェアから構成される。セグメント表示方式と小型アクティブマトリックス方式向けの製品は既に提供可能である。同年2月中旬には、既存の機器に搭載している液晶ディスプレイを小型アクティブマトリックス方式電子ペーパーに置き換えられるタイミングコントローラIC「S1D13T03」(図1)と専用ファームウェアのサンプル出荷を開始する。ICとファームウェア、セットでのサンプル価格(税抜き)は700円。3月には、中型アクティブマトリックス方式向けの製品を投入する予定だ。


図1 セイコーエプソンの「S1D13T03」 図1 セイコーエプソンの「S1D13T03」

 S1D13T03を、既存の機器に搭載しているホストマイコンと電子ペーパーとの間に組み込めば、電子ペーパーの表示制御を容易に実現できる(図2)。なお、S1D13T03が対応する電子ペーパーは、Pervasive Displays(PDI)製の「EK014AS011」(サイズ1.44インチ、128×96画素、111dpi)と、「EG020AS014」(サイズ2.0インチ、200×96画素、111dpi)、「EM027AS011」(サイズ2.7インチ、264×176画素、117dpi)である。


図2 「S1D13T03」を既存機器に組み込む際の機能ブロック図 図2 「S1D13T03」を既存機器に組み込む際の機能ブロック図

 セグメント表示方式向けは、64セグメントまで駆動できるドライバ回路を内蔵する16ビットマイコン「S1C17F57」と電子ペーパー駆動波形ファームウェアから成る。オプションの低消費電力ドライバIC「S1D14F57」と組み合わせれば、320セグメントまで対応できるようになる。小型アクティブマトリックス方式向けでは、汎用の16ビットマイコン「S1C17564」と電子ペーパータイミングコントロールファームウェアが提供される。ICとファームウェア、セットでのサンプル価格(税抜き)は、セグメント表示方式向けが907円、小型アクティブマトリックス方式向けが583円となっている。

 同社は、電子書籍リーダー向けの電子ペーパー表示制御用ICで多くの出荷実績を持つ。今後は、電子書籍リーダーでのノウハウを基に、今回発表した産業用機器向けや、高精細/高速表示が必要な業務用機器向けに事業展開を拡大する方針である(図3)。

図3 電子ペーパー向け製品の事業展開イメージ 図3 電子ペーパー向け製品の事業展開イメージ

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