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» 2012年04月03日 13時30分 公開

Wired, Weird:「壊れない電子部品」という迷信 (2/3)

[山平 豊,EDN Japan]

LEDチップの剥離

 図2は、不具合が発生したフォトカプラの断面形状である。左側にある緑色で示した小さな四角がLEDチップ、右側の黄色で示した大きめの四角がフォトトランジスタである。

 「想定外の驚くべきこと」とは、リードフレームにダイボンディングで接着されているはずのLEDチップの剥離である。フォトカプラのLEDチップは1mm角未満の小さなサイズで、リードフレーム上にダイボンディングによって固定されていた。ダイボンディングのボンディング材料は、銀ペーストなどの材料を過熱/圧接してチップをリードフレームに搭載してから、エポキシ化して接着されている。エポキシ樹脂で接着したLEDチップは生半可なことでは剥離しないはずである。にもかかわらず、LEDチップは剥離していたのだ。

図2 不具合が発生したフォトカプラの断面形状 図2 不具合が発生したフォトカプラの断面形状
図3 フォトカプラの実装の向きと不具合発生の関係 図3 フォトカプラの実装の向きと不具合発生の関係

 なお、フォトカプラに不具合が発生した基板は1枚だけではなかった。同時期に製造された基板について、多くのフォトカプラに起因する不具合が発生した。また、不具合が発生したフォトカプラは製造ロットが同一だった。これらの不良部品を、メーカーに返却して調査を依頼するとともに、不具合が発生した基板を詳細に分析した。その結果、不具合が発生するフォトカプラについて、基板上の実装位置に共通点が見つかった。図3にフォトカプラの実装の向きと不具合発生の関係を示す。

 フォトカプラの表面の○印がある側にLEDチップが、○印の無い側にフォトトランジスタが組み込まれている。図3においてLEDチップのある側を上向きに実装したものは不具合が多く発生し、下向きに実装したものは不具合が発生しなかった。

 その後、フォトカプラメーカーからの調査結果が届いたが、やはり不具合の原因はLEDチップの剥離にあるという結果だった。問題解決の鍵は、LEDチップが剥離するプロセスの解明にあった。フォトカプラの製造工程を確認するなどして、メーカーと共同で原因を究明したものの、成果は得られなかった。

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