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オン抵抗が150mΩと低いMOSFET、高速モーターやインバータ制御に向くルネサス RJL60S5

エアコンなどが内蔵する高速モーターやインバータ制御機器に向くMOSFETである。耐圧が600Vと高く、逆回復時間が150nsと短い。従来IGBTを利用していた用途で、高速スイッチングを実現したい場合に適する。

» 2012年06月28日 19時00分 公開
[EDN Japan]

 ルネサス エレクトロニクスは2012年6月、耐圧が600Vでオン抵抗が150mΩと小さいMOSFET「RJL60S5シリーズ」のサンプル出荷を2012年9月から開始すると発表した。同耐圧のMOSFETとしては、オン抵抗が業界最小だと主張する。エアコンなどが内蔵する高速モーターやインバータ制御機器に向ける。

 パワーMOSFETは縦型素子であるため、耐圧を高めると、オン抵抗も大きくなってしまう性質がある。このため、大電流を流す用途では電圧降下が大きくなり、これを避けるため、IGBTを採用する場合があった。しかし、IGBTはスイッチング性能がMOSFETよりも劣る。RJL60S5シリーズは、「高精度スーパージャンクション構造」を採ることで、耐圧を高めながら、オン抵抗を低く抑えることができたという。このため、従来IGBTが利用されていた用途にも向くとした。

 高速モーターなどに利用することを想定して、ファストリカバリダイオードを内蔵し、逆回復時間を同社の従来製品比で3分の1に短縮、150nsとした。同時に、MOSFETのターンオフ時に発生するリンギングを抑えるため、MOSFETの表面構造を改善し、ゲート-ドレイン容量を最適化したという。

 RJL60S5シリーズの許容ドレイン電流は20A。オン抵抗は、ドレイン電流10A、ゲートソース間電圧10Vのとき、150mΩ。パッケージの種類により、3品種を用意した。サンプル価格はいずれも200円。2012年12月から量産出荷を開始する予定。


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