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» 2012年07月03日 09時30分 公開

4Gの時代はもう来たのか、モバイルで1Gビット/秒実現へ無線通信技術(3/4 ページ)

[Janine Love,EDN]

どうアプローチするか?

 LTEベースの製品の供給が始まっているが、今なお多くの課題が残っている。こう指摘するのは、ルネサス モバイルでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるManfred Schlett氏だ。同社は、ルネサス エレクトロニクスがNokiaのワイヤレスモデム事業を取得して立ち上げた事業部門である。現在、市場では複数のベンダーがLTE向けチップセットを供給しているが、消費電力が比較的大きく、低コストとはいえない。

 Schlett氏の見るところでは、チップセットの他に、機能定義と市場での帯域割り当てが問題だ。帯域が分割されている現状では、チップセットの機能定義が難しくなるとともに、前述の問題点への対処が複雑化する。ルネサス モバイルは現在、HSPA+/LTEデュアルモードのプラットフォームを次々と立ち上げ中であり(図3)、2012年2月には同社初のシングルチップ搭載LTEスマートフォンプラットフォームを製品化した。

図3 ルネサス モバイルのLTEモデム 2011年に製品化したトリプルモードの無線モデムプラットフォーム「SP2531」(関連記事

演算処理量を減らす

 MIMO構成ではより多くの動作(演算)が必要となることから、電力効率がモデムの死命を制する。レシーバ部のアルゴリズムをスマート化することが電力効率に直接影響する、とSynopsysのWillems氏は言う。「最大のスループットが得られるようシステムを最適化するというアルゴリズムに代わり、いかにして処理量を減らすかに主眼を置いた、専用アルゴリズムの開発が不可欠だ」と同氏は指摘する。同氏によれば、マルチDSPコアをソフトウェアで機能設定するアプローチが、種々の標準規格に対して機能ユニットを再利用できるという点から一般化しつつある。

 米Cavium Networksでインフラストラクチャ・プロセッサグループのジェネラルマネジャーを務めるYJ Kim氏は、「残る技術課題の中でキーとなるのは、基地局から遠く離れたユーザーに対する通信容量を増やすことだ」と述べ、さらに「マクロセルやスモールセルが混在するヘテロジニアスネットワークでは、この問題がある程度は高次のレベルで解決される。しかし、一皮むいて中を見ると、干渉の問題が残っている。基地局はエラーフリーの高スループットを要求する全てのユーザーに対して、それを提供しなければならないからだ」と指摘する。

 Kim氏は、複雑で巧妙な干渉除去アルゴリズムを採用すれば消費電力は増えるが、高いスループットが実現可能だと付け加えた。高いスループットは、マクロセルでもスモールセルでも基地局にとって重要なものだ。マルチコアの基地局用SoCをうまく構築すれば、高度な干渉除去アルゴリズムを消費電力の大幅な増加なしに実現可能だ、と同氏は述べる。Caviumは4Gニーズに向けたパワーマネジメント用途をターゲットとするマルチコアプロセッサ「Octeon」を製品化している。

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