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» 2012年12月05日 16時57分 公開

計測面から見るHDMI(2):HDMI 1.4の新機能 (2/2)

[今岡 淳,アジレント・テクノロジー]
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3Dビデオ

 HDMI 1.4から3Dビデオ(立体画像)信号がサポートされるようになりました(図3)。Blu-ray Discでも3Dのサポートが規格化されたため、今後、3D対応のBlu-ray Discプレーヤーと3D対応のTVをHDMIで接続することで、3D対応の映画コンテンツなどを家庭で楽しむことができるようになります。またゲーム機や放送などでも3D映像対応が期待されています。

photo 図3 3Dビデオのサポート

 3D信号の伝送方式にはいくつかの方式が検討されていますが、HDMIでは、そのうちFrame Packingと呼ばれる方式の1080p/24Hz、720p/60Hz、720p/50Hzのフォーマットを必須の方式と規定しました。それ以外の方式は、HDMIスペックのAppendixに記載されることとなりました。

 シンク機器(TV)が3D対応かどうか、また、どの3D方式をサポートしているかは、シンク機器のEDIDのVendor Specific Data Blockに記載されます。ソース機器は、そのEDID情報を読み取り、シンク機器が受信できる3D信号を送出するとともに、HDMI信号内のVendor Specific InfoFrameにどの3D方式で信号を送出しているかを記述します。もちろん、3D対応ではないTVには、従来どおりの2D信号でHDMI信号を送出し、互換性を保つようになっています。

4K2Kビデオ

 従来のTVのHD(1080p)を超える解像度として、4K2Kのビデオフォーマットもサポートされるようになりました。4K2Kはデジタルシネマなどでの利用が期待されています。HDMI 1.4では、3840×2160p 30Hz/25Hz/24Hzと4096×2160p 24Hzのビデオフォーマットが定義され、そのVideo IDがVendor Specific InfoFrameに記述され伝送されます。

 今回定義された4K2Kフォーマットは、HDMIのTMDS信号の最大レート(3.4Gbps)以内に収まるようになっており、物理層の変更はありません。ですので、ケーブルについても、従来のハイスピード対応のカテゴリ2のケーブルを用いて伝送が可能です。

コンテンツタイプ伝送

 HDMI 1.4では、HDMI信号にGame、Cinema、Photo、Graphicsのコンテンツタイプを示す情報を付けて伝送する仕組みが導入されました。具体的にはHDMI信号内のAVI InfoFrameにコンテンツタイプを示すビットが定義され、そこにコンテンツタイプが記述されます。この信号を受信したTVでは、コンテンツタイプに最適な処理を行って、映像、音声を出力することが可能になります。

 従来はこのような仕組みはありませんでしたので、ユーザーがコンテンツに応じてTVの設定を変更する必要がありました。この機能がサポートされたソース、シンク機器の組み合わせでは、TVが自動的にコンテンツタイプに最適な画像音声処理を選択し、映像、音声を出力できます(図4)。

photo 図4 コンテンツタイプ伝送

カラースペース拡張

 従来、HDMIではビデオ画像用のカラースペース(色空間)が定義されていましたが、HDMI 1.4から静止画(デジカメ)用のカラースペースも追加されました。具体的には、sYCC601、Adobe RGB、Adobe YCC601の3つのカラースペースが追加されました。これらの拡張されたカラースペースの情報も、HDMI信号内のAVI InfoFrameに記述されます。この拡張によりTVでデジカメの画像も、より豊かに再現できることとなります。

HDMIマイクロコネクタ(Type Dコネクタ)

 携帯電話やコンパクトデジカメ、さらにはそのほかの携帯機器向けに、超小型のマイクロコネクタ(Type Dコネクタ)が新たに定義されました。Type Dコネクタは、USBマイクロコネクタとほぼ同等のサイズで、従来のHDMIミニコネクタ(Type Cコネクタ)の約50%のサイズとなっています。このような超小型のType Dコネクタの実現により、携帯電話などへのHDMIの搭載も期待されています。

 Type Dコネクタは、超小型ながら従来と同様の19ピンのコネクタであり、Type A、Type Cコネクタと同じ電気特性でスペックされています。ですので、Type A、Type Cと同様に、HDMI 1.4で定義されるすべての機能(ビデオ解像度など)をサポートすることが可能です。

車載用の拡張

 自動車の中でもHD画像を楽しみたいという要求に応えるため、新たな車載用のコネクタ(Type Eコネクタ)と車載用ケーブルのスペックが定義されました。Type Eコネクタは、車載特有の厳しい信頼性条件(振動、温度、耐久性など)に耐え得る堅牢(けんろう)性、簡単には抜けないロッキング構造を持つという特徴があります。

 車載用のケーブルは、自動車内の配線距離およびケーブルの軽量化を考慮し、HDMI信号の伝送レートを1080i相当(データレート742.5Mbps)に制限し、また、車載用のリファレンスイコライザを新たに定義することにより、従来のカテゴリ1ケーブルより、大きな減衰を許容する仕様となっています。これにより、Type Eコネクタを持つシンク機器は、そのほかのコネクタのシンク機器より減衰した信号を受信できる必要があります。

 さらには、ユーザーがビデオカメラなどの民生用の機器を車内に持ち込み、車載用のケーブルに接続できるように、リレーケーブルの概念が導入されました。ケーブルの接続点でのテストポイント(TP5)を新たに規定し、TP5でのアイマスクなどの電気特性がスペックされました。

 なお、上記でご紹介したHDMI 1.4の新機能は、すべてオプションです。すなわち、その機能の実装の有無は機器を開発するメーカーに任されています。また、コンプライアンステストについても、実装した機能についてのみテストが必要で、実装していない機能についてはテストの必要がありません。

HDMIロゴガイドライン

 HDMIのロゴガイドラインが2009年11月に改定されました。主な内容としては、HDMIのバージョン番号の使用が下記のように制限されます。

  • ケーブルについては、バージョン表記は即時禁止(ver. 1.4とは表示できない)
  • ケーブル以外の機器は、2012年1月以降はバージョン表記禁止。それまでは、機能名とともに表示する場合のみ使用可。単にHDMI 1.4準拠とは表示できない

 ケーブルについては、バージョン表記ではなく、

  • Standard HDMI Cable
  • Standard HDMI Cable with Ethernet
  • Standard Automotive HDMI Cable
  • High Speed HDMI Cable
  • High Speed HDMI Cable with Ethernet

のように名称が統一されます。

 ロゴガイドラインの詳細については、HDMI LLCのWebサイトを参照ください。

 次回からは、HDMIの測定と評価方法についてご紹介する予定です。

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