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部品が無くてもガラエポ基板が燃えるWired, Weird(3/3 ページ)

» 2013年03月04日 07時30分 公開
[山平 豊内外テック]
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 最後に、焼損した基板の表面をクリーニングした写真を図8に示す。

 この写真から分かるように、下の右から2番目と3番目のランドはほとんど無くなって、周辺のGNDパターンも激しく消耗し、焼損している。また3番目のランドの温度がかなり高くなったため、図2の裏面(はんだ面)のランドにも熱が伝わって、はんだが溶けて中央が少し盛り上がったと推定される。

図8 クリーニングを施した焼損部 図8 クリーニングを施した焼損部

焼損は“あってはならない”事故

 今回は、あえてこのような珍しい焼損事故を報告した。金属を腐食させる酸やアルカリ成分が基板上に付着した時に、同様な問題が出る可能性があることを理解してもらうためである。基板に実装される部品の事故としては、かつて4級アンモニウム塩を使った電解コンデンサで強アルカリ成分が基板上に漏れて、大きな問題になったことがあった。また電池は強アルカリ成分が漏洩しやすく、鉛蓄電池には希硫酸が使用され同様に漏洩することがある。

 このように電気製品の近くにも、焼損事故を誘発しやすい薬品や部品が使われている。電気機器の設計時には、薬品と電気を遠ざけるように配慮すべきだ。また、保守時に基板上に異物が付着した痕跡が見つかった場合は、その原因を確認して早急に対策することを心掛けてほしい。事故が起これば、製品の顧客は大きな損害を被り、メーカーは信頼を失ってしまう。焼損事故は、あってはならないものである。

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