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» 2013年07月09日 08時00分 公開

Wired, Weird:湿度管理だけでは不十分!? 「SMTリレーへのフラックス侵入」まとめ (3/3)

[山平 豊,内外テック]
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湿度管理だけでは防げなかった不良原因

 では、これまでの検証を整理して、本稿の冒頭に挙げたリレーのコイルが断線した不良原因について結論付けよう。

不良原因

 リフロー時にリレーのケースとシール材の境目にフラックスが入り、シールの接着力が低下し隙間が大きくなった。もしくはリフロー後の急冷でシール材に複数の隙間が開いた。隙間が開いたことで、洗浄時に大量のフラックスと洗浄液がリレーの内部へ入り、その後リレーのコイルを断線させた。


 そして、この不良を引き起こした“隠れた不良原因”として、「フラックスが高温状態でエポキシに付着したら、エポキシが軟化し、接着力が低下するしてしまう」という仮説を立てて、実験を行った。その結果、フラックスとエポキシとの相性によるのだろうが、シール材が軟化したことを確認した。

 シール材が軟化する可能性が残る以上、シール材間の温度差でシール材が固まる時間差ができ、これが隙間を生みやすくなる。このため、リフロー後の基板の急激な冷却は避けた方がよい。今まであまり注意が払われなかったリフロー後の基板の冷却にも注意が必要である。

SMTリレー実装の注意点

 それでは、SMTリレーの実装設計や実装方法に関してまとめてみよう。

SMTリレー実装の注意点


1.部品の湿度管理は怠るな

 SMTリレーは湿度管理が非常に重要である。これを怠るとリフロー時の高熱でリレー内部の水分が揮発してシールが破損される。またその後の洗浄工程でフラックスや洗浄液が侵入してリレーの不良が発生する可能性が高い。


2.リフロー後の急速冷却は危険

 SMTリレーのシール材はフラックスとリフローの高熱で軟化する可能性がある。このため、リフロー後に基板を急冷すると、シール材に細かな隙間ができる可能性があり、そこから洗浄液が侵入する可能性がある。(特に冬場は注意が必要だ)


3.SMTリレーの実装方向に注意を払う

 SMTリレーの配置はリフロー方向に平行に置くことを配慮すべきである。これを行えば、リフロー後の熱だまりをなくしリフロー後のシール部分の冷却時の温度差を小さくでき、シール部の隙間の発生を防止できる。


最後に

 最後に、今回の件でリレーメーカーと打ち合わせを持つことができたが、リレーメーカーのシール部の管理にもいろいろな疑問が残った。

 例えばリーク検査は出荷前の最終工程で実施されていたが、リーク検査の前にリードにハンダメッキが実施され、シール材の上にはフラックスが広がっていた。フラックスも一種のコーティング材であるが、リーク検査時にもフラックスは付着したままである。もしフラックスの下に隙間があったらリーク検査では見つからない可能性が大きい。コスト低減のために、このような工程となったと思われるが、フラックスの下に隙間があることを考慮したリーク検査を行うべきである。実装メーカーでの基板実装や洗浄のプロセスも十分に把握して、それに耐えうるリレーのシール対策と工程管理を行ってほしい。

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