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» 2014年03月10日 09時00分 公開

Wired, Weird:これも便利!! 負荷を一定時間動作させる「シリアルタイマー」 (2/2)

[山平豊,内外テック]
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シリアルタイマーの特徴

 シリアルタイマーの特徴を整理すると5つの長所が分かる。


1)オン抵抗が低くできる。出力がFETであり、このためオン抵抗が小さく、10W程度のライトも十分に駆動可能である。

2)タイマー時間を長くできる。抵抗を10MΩ、コンデンサを10uF程度にすると、3分程度のタイマーが作れた。

3)消費電流が少ない。電源投入時はコンデンサへの充電電流が発生するが、その後にはタイマー回路としての消費電流は発生しない。

4)多数のセンサーを取り付けることができる。入出力ラインへセンサーを並列接続することで負荷(ライト)を共用できる。またセンサーには大きな駆動能力は不要であり、感知時に入出力ラインを数V下げる能力があれば良い。タイマー出力のFETが駆動能力を大きくする。

5)電源投入時に誤作動しない。これが1番の長所である。一般のワンショットタイマーは電源投入時にオン動作してしまうが、この回路は急速にコンデンサへ充電するため、電源投入時の出力の誤作動はない。

 しかし、センサーラインが長くノイズが乗りやすい場合や電源電圧に0.5V以上のリップがあると誤動作することがある。この場合はトランジスタQ1のエミッタとベース間にコンデンサ(0.1uF程度)を追加して、誤動作を対策できる。

 シリアルタイマーの試作の基板の写真を図3に示す。

【図3】シリアルタイマーの試作の基板

 シリアルタイマーの回路を2.5mmピッチの片面のユニバーサル基板に実装してみた。少し大きめのチップ部品を使用したが5mm×7.5mmのサイズに実装できた。もっと小型のチップ部品を使用し両面実装してパターン化すれば2.5mm角の大きさで実現できる。

 なお、シリアルタイマーの出力時間は電源電圧に大きく影響される。コンデンサのばらつきにも左右されるため、残念ながら時間精度はあまり保証できない。時間補償が必要な場合は、電源電圧を指定し、基板を12V 5V等の電圧で時間を測定して、基板毎にデータを添付する必要がある。

 このシリアルタイマーを使って、回路を改善する事例を2つ説明する。

 1つ目はスイッチ入力への適用である。フラットタイプの押しボタンスイッチでは、スイッチの押し方で0.1秒〜数秒以上の信号を出せるが、軽くスイッチに触れた場合はオン時間が短く機器が作動しないこともある。軽く触れても動作させたい場合は1秒程度のシリアルタイマーをスイッチと並列に接続する。スイッチに軽く触れただけで確実に1秒間出力がオンするので、機器を確実に作動させることができる。またスイッチの押し方に関係なく確実に機器を作動させることもできる。

 2つ目はリレー出力などの動作時間の変更である。例えば1秒の時間でリレーを駆動する回路がある時、これを評価用にもう少しオン時間を長くしたい場合に使う。例えば、5秒程度の時間設定したシリアルタイマーの基板を準備し、リレーを駆動するトランジスタのコレクタとエミッタにこの基板を接続すると、トランジスタのオンでタイマーもオンし、5秒間リレーをオンできる。

 シリアルタイマーは2端子で、省スペースかつ安価に製作できる。この基板を事前に準備しておけば、納入した製品の出力条件の変更も即座に対応できる。また現場で簡単に製作して取り付けることもできる。コンデンサ以外の部品を事前に実装しておき、顧客の要望に合わせてコンデンサを決めて取り付ければよい。シリアルタイマーの活用場面は多い。ぜひ読者もトライして有効利用してほしい。

 次回は、以前紹介したシリアルオシレータの楽しい応用方法について説明する予定だ。

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