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位相変調これだけは知っておきたいアナログ用語

» 2014年12月26日 00時00分 公開
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位相変調

 位相変調とは、送信したい情報(入力アナログ信号)を、搬送波の位相を変化させることで伝送する方式のこと。英語では「Phase Modulation」と表記し、頭文字をとって「PM」と略されることも多い。このほかアナログ変調方式には、振幅変調(AM)と周波数変調(FM)の2つがある。つまり、AM、FM、PMの3つが代表的なアナログ変調方式である。

 アナログ変調方式としての位相変調(PM)は、ほとんど利用されていない。ラジオ放送やアマチュア無線、業務用無線などの幅広い用途で使われている振幅変調(AM)と周波数変調(FM)と比較すると対照的だ。

デジタル変調で活躍

 アナログ変調方式としての位相変調(PM)は、活躍の場はほとんどない。しかし、デジタル信号の変調方式としては、極めて広く普及している。

 デジタル信号の位相変調方式はPMではなく、「PSK(Phase Shift Keying)」と呼ぶ。位相の異なる搬送波を使って、送信したい情報に変調をかける方式だ。利用する位相の数によって、複数の方式がある。代表的なのが、BPSK(Binary PSK)である。これは0度と180度の2つの位相で、変調をかける方式である。これを複素平面(QとIからなる平面)上で表現すると、変調をかけた信号は2つの点(0度と180度に相当)を行ったり来たりすることになる。1回の変調(1シンボル)で1ビットの伝送が可能だ。

 4つの位相を利用するのがQPSK(Quadrature PSK)。0度、90度、180度、270度と、それぞれ90度ずつ異なる位相を使って変調をかける。従って、複素平面上で表現すると、4つの点を行ったり来たりすることになる。1回の変調(1シンボル)で1ビットを伝送できる。さらに、8つの位相を利用する8PSKなどが存在する。これを使えば、1回の変調(1シンボル)で3ビットの伝送が可能になる。

 BPSKやQPSKの応用範囲はとても広い。国内の第2世代携帯電話方式「PDC」では、QPSKの一種である「π/4シフトQPSK」方式が使われていた。π/4シフトQPSKは擬似的な8PSK方式と言える。このほかBPSKやQPSKは、PHSやGPS(Global Positioning System)、アマチュア無線、業務用無線などで採用されている。


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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